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安倍総理の志は死なない!!

「力による一方的な現状変更」 日本発の対中表現浸透

先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で発出された首脳声明(コミュニケ)の対中国政策を巡り、「力による一方的な現状変更の試みに反対」と書き込むなど日本発の表現が浸透しつつある。「台湾海峡の平和と安定の重要性」に関しては、首脳声明として初めて「国際社会の安全と繁栄に不可欠」と明記した。中国の脅威をアジアから離れた欧州の首脳とも共有し、議長国として対中外交を主導する狙いがある。
林芳正外相は23日の記者会見で、G7が対中政策について認識を共有したと評価した上で、「今回のコミュニケの内容を踏まえ、引き続きG7メンバーとの間で緊密に連携していきたい」と語った。
首脳声明は議長国である日本が下書きを作成し、各国と調整して発出した。声明では中国が海洋進出を強める東・南シナ海情勢に深刻な懸念を示し、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対すると表明。中国が各国の同意を得ずに海外に設置しているとされる「警察拠点」を念頭に、干渉活動を行わないよう求めた。外務省関係者は「日本の色を出しつつ、懸念点を過不足なく盛り込めた」と語る。
一方、政府が国内外で発信してきた「建設的かつ安定的関係の構築」や「懸念を直接表明する重要性」も盛り込み、対話を呼びかける姿勢も打ち出した。核軍縮・不拡散や気候変動の課題は中国抜きでは解決できないためだ。G7と中国の対立構造が際立つことを懸念する「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国にも配慮した。
日本発の表現を巡っては、かつて安倍晋三元首相が中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱し、国際社会で広範な支持を得た。外務省幹部は「ルールを作る者が強者といわれるが、言葉を作るのも大きな外交的成果だ」と語っている。(広池慶一)