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中国、南沙諸島周辺3カ所にブイ設置、「主権を行使する行為だ」と主張 フィリピンに対抗

 【バンコク=藤川大樹】中国の交通運輸省は、フィリピンと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の3カ所に灯浮標(とうふひょう、照明装置付きのブイ)を設置したと発表した。フィリピンは今月10日以降、フィリピン国旗を掲示した浮標(ブイ)5基を南沙諸島に設置済みで、これに対抗した形だ。両国が領有権を主張する南沙諸島を巡る対立が再燃しつつある。
 フィリピンからの情報などによると、中国側は24日、南沙諸島のアービング礁やウィットサン礁などの近くにブイ3基を設置したと発表。在フィリピン中国大使館は26日、「南沙諸島の関連水域にブイを設置することは、法に基づき主権を行使する行為だ」と強調した。
 設置目的については「海上の誘導と運航の安全を確保し、通過する船舶とこの地域の国々に公共財を提供するため」と説明した。
 一方、フィリピン沿岸警備隊は今月10〜12日、フラット島やロアイタ島、ウィットサン礁などに近いフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にブイ5基を設置していた。ブイの高さは10メートルほどという。
 フィリピン側は、ブイは自国の海域を明示し、浅瀬での座礁を防ぐ狙いがあるとしている。アニョ国家安全保障補佐官は、ブイ設置について「海上の境界と資源を守るというわれわれの揺るぎない決意を表すものだ」と強調していた。
 フィリピンは南シナ海周辺で覇権的な動きを加速させる中国に対抗するため、米国との同盟関係を強化。2014年締結の「防衛協力強化協定(EDCA)」に基づいてフィリピン国内5カ所の基地を米軍が使うことを容認してきたが、今年4月には軍事施設4カ所の追加使用も認めた。3カ所は台湾に、1カ所は南沙諸島に近い。
 またフィリピンは日本やオーストラリアとの協力関係も拡大させる方針だ。日本は同志国軍を支援する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の創設を決めており、フィリピン軍に沿岸監視機材などを提供する準備を進めている。
 フィリピンと日米、オーストラリアの連携強化に対し、中国側は一層神経をとがらせている。