Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

課題残すLGBT法、補助金目当ての「公金チューチュー」か 差別の実態がはっきりせず…就職状況など実証的な検証も必要

岸田文雄首相は15日、「今国会での解散は考えていない」と記者たちの前で語り、吹き荒れていた党内外の解散風を鎮めた。入管法改正、LGBT、防衛財源確保など注目度の高い法案が国会を通過したことや、野党の選挙態勢が十分に整っていない今のタイミングで解散するのではないか、と思われていた。
先日行われた記者会見での解散をめぐる思わせぶりな発言や笑みを浮かべた岸田首相の表情などが、ニュース番組で切り取られ繰り返し強調された。ワイドショーを見すぎると、首相がいかにも解散を煽(あお)っているように見えただろう。
いざ解散しないと明言すると、今度は「国民を愚弄している」と怒り出す人たちが続出した。相変わらずのテレビの扇動である。国会会期末での重要法案の審議を国民に伝えないための印象操作のようにも思える。
特に参院内閣委員会で審議されていたLGBT理解増進法案については、与野党ともにかなり突っ込んだ議論を展開していた。自民党の議員からは女性専用スペースへの配慮や、法案について政治的挑発を続けたエマニュエル駐日米大使への批判も出ていた。また与野党ともにLGBT問題の当事者を参考人に招いたのはよかった。
私はLGBT法案については、国民の理解どころか意見の深刻な分断を招いているので、理念法として失格だと思っている。そして理念法にも関わらず、「差別反対」を口実にした経済的利権の温床になり、過激な社会活動家が介入する余地が妙に生々しくあった。
この点を自民党、公明党と日本維新の会、国民民主党の4党案はそれなりに改善した。理念法ならば、「福祉」「平等」のように大枠の方向性を示せばいいだけだ。だが、法案には、いわゆる公金チューチュー(補助金目当て)の可能性が否定できなかった。今後も特定の団体や活動家が既得権を得ないかどうか厳しい検証が必要だ。
あまりにも国会での審議時間が足りなかった。この拙速なやり方は、今後さまざまな課題を残すことになる。これは与党側がLGBT法案をそもそも真剣に考えていないからだ。岸田首相の元秘書官が失言したことへの批判をかわすためだったとの見方もある。
経済問題だけに限っても、LGBT差別の実態がはっきりとしない。当事者たちの声も政治的立場を反映してさまざまだ。就職や働く場などでLGBTの人たちがどのような状況に置かれているか、統計データの整備や専門家たちの実証的な検証がより必要だ。それが置いてきぼりでは、理念の共有ではなく、理念の対立が起こるのは当たり前である。 (上武大学教授・田中秀臣)
政権交代あるのみ!!