Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

「中国と戦う覚悟を!」麻生発言の戦略的意義

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!


北野です。




まず、お知らせから。


言論の自由が比較的ある日本でも、


「隠されて知らされていない情報」がたくさんあります。


世界情勢に関しても、その他の分野に関しても。


「隠されている情報」は、テレビ、新聞にはもちろん、


YouTubeにも出てきません。


バンされてしまうからです。


では、どこから「隠されている情報」にアクセスできるの
でしょうか?


こちらから、「隠されている情報」を入手してください。

https://in.renaissance-sk.jp/rere_2308_kitano_af




では、本題。


自民党の麻生副総裁は8月8日、台湾で驚愕の発言をしまし
た。


『NHK NEWS WEB』2023年8月8日。




〈台湾を訪れている自民党の麻生副総裁は、8日、台北市
で開かれた国際フォーラムで講演しました。


この中で麻生氏は、中国が台湾への軍事的な圧力を強めて
いることについて



「台湾海峡の平和と安定は日本はもとより、国際社会の安
定にとっても重要だ。その重要性は、世界各国の共通の認
識になりつつある」



と指摘しました。


その上で



「今ほど日本、台湾、アメリカをはじめとした有志の国々
に非常に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時
代はないのではないか。


戦う覚悟だ。


いざとなったら、台湾の防衛のために防衛力を使うという
明確な意思を相手に伝えることが抑止力になる」



と強調しました。〉
ーー



これ、どう考えても、



「台湾有事の際には、日本も台湾と共に中国と戦う」



という意味でしょう。


この発言の「戦略的意義」を考えてみようと思います。




▼習近平の「台湾侵攻」を止める方法




習近平は、台湾侵攻を決断するのでしょうか?


まず、習近平は、「武力を使っても台湾を統一する」と宣
言しています。


『日経』2022年10月16日。




〈中国共産党の幹部人事を決める5年に1度の第20回党大会
が16日、北京の人民大会堂で開幕した。
習近平(シー・ジンピン)総書記は過去5年間の成果と今
後の方針を示す活動報告で台湾統一方針を巡り、



「決して武力行使の放棄を約束しない。
必要なあらゆる措置をとる選択肢を持ち続ける」



と強調した。〉


〈「祖国の完全な統一は必ず実現しなくてはならず、また
必ず実現できる」と訴えた。〉(同前)
ーー



「祖国の完全な統一は実現しなくてはならず」


「決して武力行使の放棄を約束しない」



要するに、「武力を使っても、台湾を併合する」との宣言
です。


ですから、「台湾侵攻の可能性」はあります。


なんといっても、習近平自身がそう宣言しているのですか
ら。


では、どんな時に、習近平は、台湾侵攻を決断するのでし
ょうか?


二つのケースが考えられます。



一つ目は、習近平が、「台湾に侵攻して、



【 絶対勝てる! 】



と確信した時です。


習近平は今、「絶対勝てる!」とは確信できないはずです。


「アメリカが出てくるかもしれない」から。



ちなみにバイデンさんは、「台湾有事の際には、アメリカ
が台湾を守る」と断言しています。


『BBC NEWS JAPAN』2022年9月19日付。




〈アメリカのジョー・バイデン大統領は18日、中国からの
「前例のない攻撃」があった場合、アメリカは台湾を守る
と再び発言した。
米CBSのインタビューの中でバイデン氏は、この発言が米
軍が台湾を守るという意味かと質問され、「そうだ」と答
えた。〉
ーー


バイデンはこれまで、


2021年10月、2022年5月、2022年9月の


3回、「アメリカが台湾を守る」と発言しています。


この発言を聞いた習近平は、



「台湾に侵攻したら、アメリカが出てくる可能性が高いな」



と考え、台湾侵攻を躊躇するでしょう。


この発言が抑止力になります。



もう一つ、いつも書いているように、「ウクライナ戦争」
との関係です。


ウクライナ戦争で、プーチンが勝利したらどうでしょうか?


習近平は、


「プーチンは、欧米、日本から支援を受けるウクライナに
勝った。
ということは、中国が台湾に侵攻しても、欧米日から支援
を受ける台湾に勝てるだろう!」


と考えるでしょう。


それで台湾侵攻を決断する可能性が高まります。


逆にロシアが負けてプーチンが失脚したらどうでしょうか?


習近平は、



「プーチンは、欧米と日本から支援を受けるウクライナに
負けて失脚した。
台湾侵攻を決断すれば、俺も失脚する運命だろう」



と考え、台湾侵攻の可能性が減ります。


だから、日本と欧米は、ロシアに勝たせてはまずいのです。




▼習近平を追い込み過ぎないこと




習近平が台湾侵攻を決断するもう一つのパターン。


それは、「引くに引けない状態に追い込まれた時」です。


これは、何でしょうか?


たとえば台湾が独立を宣言したらどうでしょうか?


習近平は、「アメリカはでてくるかな?日本はどう動
くだろう?」などと悠長に考えることができなくなります。


国の威信、彼自身の威信をかけ、台湾独立を阻止すること
でしょう。



ちなみに、「台湾有事を願っているのは軍産複合体に支配
されているアメリカ政府だ」


という粗い陰謀論があります。


もしアメリカが台湾有事を起こしたければ簡単です。


蔡英文さんに、「独立宣言」をさせればいい。


そうすれば、確実に台湾侵攻がはじまるでしょう。


しかし、アメリカは、台湾独立を支持せず、「一つの中国
政策を支持する」としています。


つまり、



・アメリカは、台湾が中国の一部であることを認めている。


・しかし、武力による一方的現状変更に反対である。



要するに、アメリカは、「武力行使だけはしないでくれ」
と考えている。


だから、台湾に「独立宣言しなさいよ。したら、欧米と日
本はすぐに国家承認するから」とはいわないのです。


アメリカの目標は、「台湾有事を起こさないこと」である
ことがわかります。




▼麻生発言の意味




というわけで、習近平が台湾侵攻を決断する二つのパター
ンについて理解できました。



・台湾に侵攻しても勝てそうだと習近平が判断した時


・引くに引けない状態になった時(例、台湾独立宣言など)



麻生さんの発言は、一見過激で、リベラル派の皆さんを激
怒させていることでしょう。


ですが、麻生さんの発言で、習近平は何を感じるでしょう
か?



「中国が台湾に侵攻したら、日本はアメリカと共に台湾を
守るのか・・・。


そうなると、中国 対 日本、アメリカ、台湾の戦争にな
るな・・・。


勝てる可能性は低いな」



こう考えて、台湾侵攻を決断する可能性が減るでしょう。


つまり麻生さんは、この発言で、台湾侵攻の可能性を増や
したのではなく、


逆に減らしたのです。


バイデンの「台湾を守る」発言と同じです。



というわけで、麻生発言には、「戦略的な意義」があるの
です。


私達の目標は、「中国と戦争をして勝つこと」ではありま
せん。


「中国との戦争を起こさないこと」です。


このことを一瞬も忘れることはできません。


なぜなら、これほどまでに「中国と戦争になる可能性が高
まったこと」は、戦後一度もなかったのですから。