Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

「不正会計問題」の説明責任から逃げ続けて早9年…自民党・小渕優子が記者会見で見せた「涙のナゾ」

 阪神タイガースの「アレ」でニュースも大盛り上がり。ちなみにアレとは「優勝」のこと。選手に重圧をかけないように岡田監督が言いだした。
 しかし先週は阪神以外の「アレ」も多かった。まず小渕優子氏の涙のアレ。数日経ったが一体アレはなんだったのだろう。
《自民党の選対委員長に就任した小渕優子氏が9月13日に、党四役の就任記者会見に臨んだ際、9年前に表面化した自身の関連団体の不明朗な政治資金支出について問われた際、答える中で声を詰まらせ、涙声になった。》(日刊スポーツ9月17日)
 アレ……?
 なんで小渕氏が涙声? では9年前のアレについておさらいする。
「ドリル優子」の異名が誕生
《2014年10月、小渕氏は、関連政治団体の不適切会計の問題が発覚したことで経済産業相を辞任した。収支報告書への虚偽記載は5年間で総額3億円を超えたが、小渕氏は1年間説明を避け続け、元秘書2人が有罪判決を受けた後の15年10月になって地元の前橋市内で記者会見を開いた。ただ、その場でも不正会計の全容は説明せず、「説明責任を果たしていない」との指摘が出ている。》(読売新聞オンライン9月14日)
 ちなみに東京地検特捜部の家宅捜索前、会計書類を保存したパソコンのハードディスクが電動ドリルで破壊されていたことも判明した。証拠隠滅を図ったのは明らかだった。この時からネットや永田町では「ドリル優子」に改名となった。
 しかし、それだけ注目された犯罪を「秘書」が犯しながら小渕氏は説明を逃げまくった。大事なことだから繰り返すが、事件をめぐって記者会見を開いたのは発覚から1年後。しかも地元の群馬県で1度会見しただけ。
 日刊スポーツの中山知子記者はその時の様子をこう記している。
《小渕氏は東京ではなく地元の群馬県前橋市で会見したのだが、私は出席を認められず、閉め出された。さまざまな手を尽くし、なんとか発言内容を調べようとしたことを覚えている。》(同前)
 完全に身内向けのセレモニーで終わらせたことがわかる。小渕氏は息をひそめて年数さえ経てば世に出られるという打算があったのだろうか。蝉ならそれでいいだろうが小渕優子は公人だ。そんな態度でいいわけがない。
 アレから9年経った先週9月13日、選対委員長として就任会見があった。
就任会見での涙声にポカン
「あの時に起きたことは政治家として歩みを続ける中で、心の中に反省を持ち、けして忘れることのない傷」
 小渕氏がそう言ったから世の中が「アレ?」となったのである。あたかも自分が傷つけられたかのように言って涙ぐんだから見てる側はポカンとしたのだ。
 泣く前に聞きたいことは山ほどある。政治とカネで注目された一つに、小渕優子後援会が開催した明治座での観劇会がある。支出が収入を大幅に上回るなどしていた。つまり有権者を金でアレしていた。これについて小渕氏の説明が聞きたい。
 小渕氏は会見で、「もし何か私に必要なお話があるということであれば、おっしゃっていただければ」とも話した。
 それなら提案したいのだが、明治座を貸し切って記者会見を開くのはどうだろう。
 誰もが待ちに待った小渕優子氏の晴れ舞台である。小渕家と明治座は関係が深いらしいからすぐに押さえられるだろう。会見は新聞記者だけでなくフリーの記者も呼べば盛況になるに違いない。それぐらいのことをしないと国民の「傷」は癒えない。そう、小渕氏はこの9年間を「雌伏」と思っているフシがあるが、「雌伏9年」とは説明されないまま時間が経ったのはこちら側である。
「禊」はもう済んでいる?
 一方で、小渕氏側の論理を考えてみよう。この9年間で選挙に3回勝っている。しかも圧勝。なので「禊(みそぎ)は済んでいる」というのが小渕氏側の気持ちだろう。
 しかし本当にそうだろうか。小渕氏の父は小渕恵三元首相である。恵三氏が首相在任中に急死し、その後の「弔い選挙」で優子氏は圧勝した。「地盤・看板・カバン(資金)」が最初から揃っていた。優子氏に何があっても、スキャンダルがあっても、地元では世襲の力で小渕ブランドは盤石なのである。
 だからこそ思う。何があっても「姫」だとか言ってやさしく許してくれる地元ではなく、しがらみのない地元以外の人々の前でちゃんと説明できるのかどうか。それが政治家としての最低限のスキルだろう。地元以外で記者会見をやるべきだ。「記者会見」がNGワードなら「アレ」と呼んでいい。今からアレを期待しています。
(プチ鹿島)