Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

岸田総理「増税メガネ」からの「減税やるやる詐欺」で国民はブチギレ...「内閣発足以来最低支持率」と政界再編加速へ

「鈍感力のすごさ」はかねてからウワサになっていた
10月23日、臨時国会で所信表明を読み上げる岸田文雄総理は時折、口角をつり上げ、笑みを浮かべていた。ユーザーが画面上にコメントを投稿できる動画配信サービス「ニコニコ動画」でも演説の様子が配信され、「楽しそう」「真面目にやれ」などのコメントがついた。


本来なら笑っている場合ではないはずだ。なぜなら前日に投開票が行われた衆参ダブル補選は、1勝(衆議院長崎4区)1敗(参議院徳島・高知選挙区)で、「もともと自民党が2議席持っていたから完全な敗北」(自民党閣僚経験者)という手痛い結果となったからだ。


しかも報道各社が行った「10月世論調査」で岸田内閣の支持率は、時事通信26・3%、読売新聞34%など軒並み「内閣発足以来最低」を記録した。
にもかかわらず、同じ日に国会で岸田とすれ違った議員も「やけに明るかった」と言う。危機感を抱いている様子がどうも見えない。


なぜなのか?


岸田に近い議員はこう見る。


「補選の結果にホッとしているんです。もちろん本来なら危機感を持つべきタイミングですよ。2敗を免れ、首の皮がつながったからまあ元気にやろうという雰囲気です。『増税メガネ』を気にしての暗さがかなり晴れた」


本人はひと安心かもしれないが、東京都議会議員の補選や宮城の県議選では、自民党が議席を落としている。党内の議員の気持ちを考えれば、もう少し殊勝にしてもよさそうなものだ。実際こうした岸田の姿に不満を述べる議員も少なくない。


しかし、岸田とつき合いの長い議員にとっては、これが岸田の「通常運転」である。


「宏池会では総理になるまえから、『鈍感力』がスゴいと言われてきた。人の気持ちや世間の動向がいまいちわからない『ズレた』ところがあるんです」(全国紙総理番記者)


政治家にとって人の気持ちがわからない「鈍感力」は武器にもなる。安定感やブレなさにもつながるからだ。


”増税メガネ”から”世間知らずの殿様”へ
しかし「鈍感力」は諸刃の剣である。本人に人気があるときはいいが、一度、国民や周囲の議員が「違和感」を抱けば、その「ズレ」は政治家本人に向かって牙を剥く。


国民が増税に不満を抱いていることに気づけず、ついに「増税メガネ」と揶揄されるに至ったのは、そのあらわれだろう。


「当初は圧勝ムードだった」(自民党関係者)衆議院長崎4区が接戦になってしまったのも、岸田の「ズレている行動」の影響が大きかったという。


「長崎4区は北村誠吾元地方創生担当相の死去に伴う補選でしたが、党は北村さんが生前、後継に指名していた県議を蹴って、金子容三氏を候補に決めてしまった。にもかかわらず岸田総理は応援演説で長崎入りすると早速、北村さんの納骨堂を訪れ、『弔い選挙』を演出した。支援者たちの気持ちを逆撫でして、かえって票を減らすことになった」(岸田派関係者)


「鈍感」と評されるのとはチグハグな印象だが、一方で岸田は周知のように、いったん「増税メガネ」と批判されていることに気づくと、それには強く反応してきた。


これまで自分が先導してきた増税の方針をかなぐり捨てて、増税イメージ払拭のために、あらゆる方法を動員する。その様子からは「政治家としてやりたいこと」は伝わってこず、有権者には、日和った人気取りの振る舞いに映る。


しかもその方法が微妙にズレており、国民の気持ちはさらに離れていく。


手始めに向かった先がイトーヨーカドー木場店(江東区)だった。スーパーで物価高を確かめ、庶民と実感を共有しようというわけだ。野菜や精肉コーナーを眺め、顎に手を当て、「確かに高くなっている」と呟いた。


「こんな世間知らずの殿様みたいなことをしては反感を買うのは当然。それがなぜわからないのか。しかも商店街や個人経営のスーパーではなく、わざわざイトーヨーカドーへ行って、ロゴを背景に記者会見を受けている。国民へのパフォーマンスだけではもったいないから、財界への貸し作りを同時にやってしまおうという魂胆です」(全国紙政治部記者)


打ち出している政策にも一貫性が見られない。


「10月13日に菅義偉前首相と会談すると、岸田さんは直後に、それまで菅さんらが中心になって進めてきた、一般ドライバーが自家用車で客を有償で運ぶ『ライドシェア』の導入を、所信表明に盛り込むことを決めてしまった」(政府関係者)


関心などいっさいなかったくせに、人気取りに使えそうなものは短絡的になんでも利用する。


「岸田さんは何をやりたいのかわからない」


菅は周囲にこう漏らす。


セコい
自分の人気のためには、こんなセコいやり方もする。補選投開票直前の10月20日、岸田は唐突に所得税を含む減税策の検討を与党に指示したのだ。


「岸田総理は9月に税収増を国民に『還元』すると述べて、減税を打ち出しましたが、そこでは所得税の減税には触れてこなかった。最初に所得税減税を口にしていたのは与党幹部でした。


ところが、10月17日に自民党と公明党が官邸に提出した経済対策の提言案には『所得税減税』というワードが入っていなかった。実は前日に官邸から『所得税減税は盛り込まないように』というお達しがあったのです。岸田さんが減税を指示するという形をとることで、政権浮揚を狙った」(前出・全国紙政治部記者)


自民党関係者からは「こちらが書こうとしたのを止めてまで、岸田さんのアピールに使われた」と不満の声が上がった。


だが鈍いので、そうした不満に気づけない。補選でひとつ勝てば、とりあえずひと安心して、「ま、いっか」となってしまう。


しかし、岸田の思いに反して、国民も、党内の人間も、ゆっくりと岸田から離れ、政権は土俵際に追い詰められている。


岸田によって非主流派に追いやられた二階俊博元幹事長は、これを敏感に感じ取り、”ポスト岸田”を見据えて、すでに動き出しているという。


「近く菅氏、石破茂氏を交えた会食を開くつもりです」(二階派幹部)


岸田はすでに「死に体」、そのことに気づいていないのは本人だけかもしれない。


「週刊現代」2023年11月4日号より


#落選しろメガネ