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安倍総理の志は死なない!!

自民裏金事件で未解決の「税の問題」とは 野口悠紀雄・一橋大名誉教授がスッキリ解説「1円だってダメ」

作家の想像力の豊かさよ!!
ー銀河英雄伝説ー


<政治とカネ 自民党派閥裏金事件>⑥


 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件は、「安倍派5人組」をはじめ、ほとんどの議員が刑事処分を免れた。だが、経済学者の野口悠紀雄・一橋大名誉教授(83)は「税の問題」が解決されていないと指摘する。


◆「収支報告書に記載しなくていい」なら「政治資金ではない」


 —今回の事件に脱税問題があると指摘されています。
 安倍派の場合、還流は派閥から収支報告書に記載しなくていいと言われていた。政治資金であれば収支報告書に記載しなければならないので、政治資金ではないと考えざるを得ない。議員側もそういうものと理解して受け取ったということは課税所得だから、申告しなくてはいけない。申告しなければそれは申告漏れ、脱税だということになります。これはきわめて単純な論理です。


 —収支報告書の不記載額が3000万円以下だった議員は不問に付されそうです。


 税っていうのは1円だってだめです。もちろん、当たり前のことです。


 —国民は申告漏れがあれば追徴課税されます。


 そうです。何も悪いことをしていなくても税務調査を受けることもある。そうした場合、断れないですよね。ところが、なぜ政治家に対して行われないのか納得できないですよね。なぜ税務署が動かないのかと。


 —寄付やパーティー券収入を政治活動に使えば非課税になることについて、どう思いますか。


 私はそのこと自体もおかしいと思っている。推察するに、政治活動は非常に崇高で、社会の役に立つ行為であると、だから課税しないと、たぶんそういうことじゃないですか。たとえば私は原稿を書いている。この原稿は社会の役に立つ、だから私の書いた原稿料の収入は非課税だと主張しても、絶対にそんなことは認められないでしょう。なぜ政治活動だけが特殊なんですか。非常におかしな制度だと私は思っています。


◆「税の不公平は国を滅ぼす」


 —国会議員にはさまざまな特権があります。


 歳費は課税所得ですが、調査研究広報滞在費や立法事務費とか、いろいろ非課税の所得があります。これも納得できないですよね。


 —税の問題はこのままでいいのでしょうか。


 国会議員は税制を決める立場にあるのに、税制上の取り扱いが不公平なのは問題です。私は税制を誤れば国が滅びると思います。歴史上、革命というのは大体、税に対する不満をきっかけにして起こっているんですよ。その一番有名な例がフランス革命で、一部の特権階級は課税を免れ、人民は重い税負担に苦しんでいた。アメリカの独立戦争もそうですね。イギリスが植民地のアメリカに対して、不当に重い税をかけ、それに対して不満が爆発した。ですから、税の不公平は国を滅ぼすだろうということを言っているんです。


 —今後、どうするべきでしょうか。


 政治資金を非課税にすることの是非について問題にすべきでしょうね。そこを議論し、そしてもし不適切であれば、それはあらためるべきでしょう。


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<連載:政治とカネ 自民党派閥裏金事件>


 自民党の派閥に巣くっていた多額の裏金事件で、ほとんどの国会議員は法的な責任を免れた。国民の感覚との大きな落差がどこからくるのかを問う。(三輪喜人、浜崎陽介、戎野文菜、米田怜央、昆野夏子が担当します)