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安倍総理の志は死なない!!

「長崎の寺に所有権」判決から半年、盗まれた仏像なお戻らず…韓国与党惨敗で懸念も「諦めない」

 長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団に盗まれた仏像について、韓国大法院(最高裁)が同寺に所有権があると認めた判決から26日で半年となった。いまだに仏像は戻らず、見通しも立っていない。対日関係改善を進めてきた尹錫悦(ユンソンニョル)大統領を支える保守系与党が4月の韓国総選挙で惨敗したことで、地元では返還が遠のくのではとの懸念の声も聞かれる。(島居義人)


 「日韓関係に敏感な世論を刺激しないよう、総選挙まで何もできない」「総選挙が終われば動き出すのでは」――。日本政府からの連絡もない中、前住職田中節孝(せっこう)さん(77)には地元や韓国の知人から様々な臆測が届き、心が乱された。


 「節目」と捉えていたのが、10日に投開票された韓国国会の総選挙だ。結果は保守系与党が敗北し、尹政権の対日政策を批判する左派系の野党が躍進した。
 檀家(だんか)総代長の村瀬辰馬さん(69)は「与党が負け、返還に時間がかからなければいいが」と懸念する。田中さんは「韓国政府は返還する気があるのか。日本政府も、半年も連絡がないのは不誠実だ」と憤る。


 仏像は県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(かんぜおんぼさつざぞう)」。2012年10月、本堂から韓国人窃盗団に盗まれた。窃盗団は韓国警察に逮捕され、仏像は回収されたが、韓国の浮石(プソク)寺が「14世紀に倭寇(わこう)に略奪された」と所有権を主張し、韓国政府に引き渡しを求めて提訴。1審は浮石寺の主張を認めたが、2審で取り消され、大法院は昨年10月26日、所有権は観音寺にあると認めた。


 田中さんは安堵(あんど)したが、半年も事態が動かないことに不安を隠せない。だが、「仏像は住民の心のよりどころ。手を合わせる日まで諦めるわけにはいかない」と自身に言い聞かせる。


 対馬市議会は3月27日、韓国に早期返還を働きかけるよう日本政府に求める意見書を全会一致で可決し、外務省などに送った。


 上川外相は26日の記者会見で「韓国政府とは意思疎通を続けている。韓国は返還手続きについて関連法令に従って決定していくとしており、早期返還へ働きかけを継続する」とした。また、「観音寺を含む関係者と連絡を取りつつ適切に対応していく」とも述べた。