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「学歴詐称疑惑」に答えた小池百合子都知事(71)の会見を徹底分析 臨床心理士が気づいた“答えなかった質問”とネガティブな表情

 小池百合子東京都知事のカイロ大学卒業をめぐる「学歴詐称疑惑」が再燃した。小池都知事は定例会見でも多くの質問を受け、回答する表情が印象的だったので詳細に分析してみた。


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小池百合子都知事 ©時事通信社
小池百合子都知事 ©時事通信社
© 文春オンライン
 知事の元側近で、元「都民ファーストの会」事務総長の小島敏郎氏が、『文藝春秋』5月号で「私は学歴詐称工作に加担してしまった」と告白する手記を発表した。4月17日には、外国特派員協会で記者会見も開いている。小池氏の立候補が予想される都知事選を睨んでのことだろう。
 小島氏が告発したのは、2020年6月9日に駐日エジプト大使館のフェイスブックで公開された「カイロ大学の声明」に関するいきさつだ。


 カイロ大学卒業は虚偽だと書かれた『女帝 小池百合子』(著・石井妙子)がベストセラーになり、2度目の都知事選に暗雲が垂れ込めていた小池氏は、何度も卒業証書や卒業証明書を公開したと主張したが、その証書や証明書にも疑いが生じ、都議会で厳しい追及を受けていた。


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 その批判や追及を封じるために、小池氏がカイロ大学学長に働きかけて「卒業を証明する」という声明を出させた、というのが小島氏の告発の内容だ。


一瞬顔を上げ、ぎょっとした表情でぐっと顎を引いたが…
 4月12日に行われた都知事の定例記者会見では、告発を受けて記者らがこの疑惑について質問を行った。


 質疑応答の冒頭、東京新聞の記者が、この問題について質問を行った。手元の書面に目を落としたまま素っ気ない様子で質問を聞いていた小池氏だが、「カイロ大学が自発的に声明文を作成したことはほぼあり得ない。知事が声明文を自ら作成し、“疑惑を隠蔽しようとした”」と、「疑惑を隠蔽」という記者の言葉に一瞬顔を上げ、ぎょっとした表情でぐっと顎を引いたが、すぐに反応を押し殺した。


 卒業の事実をどう証明するかについては、「そもそもが大前提が違うわけです」と余裕の表情を見せ、「どうやって証明するのか」「誰が証明するのか」と記者に質問で切り返し、回答はしなかった。


 続く記者が、小島氏がカイロ大学に声明を出してもらってはどうかと提案をした3日後に実際に声明文が出されたことを指摘すると、小池都知事は声を出して笑い「そもそも私自身の卒業というファクトがある」と記者に語りかけるように答えた。


 しかし「知事サイドから働きかけたことはあるか」と問われると、落としていた視線を上げて、やや首を傾げ一拍間を置く。この質問が、小池氏にとってネガティブなものだったのだろう。


 それでも、「(声明は)大学当局の意思のもとで発出されている」と落ち着いて回答した。小島氏に相談した事実があるかという質問にはむすっとした表情を見せ、「困っているという相談ではなく」と念を押すように語尾を強めたうえで、「皆さんが疑念を作られて、それに対して対応すべきだというふうに思っておりました」と、遠回しに相談の事実は認めた。


 だが、小島氏からカイロ大学に声明文を出すように頼んだ方がいいのではという話があったのかと聞かれると、口調が冷たく突き放すように一変し、頷きながら「あまり鮮明に覚えていませんね」と述べた。


真っすぐに答えなかった“不都合な質問”
 その後も、自らが関わったのかという質問には真っすぐに答えず、はぐらかすような回答が続いた。依頼した事実があるかどうかという問いには「ある」「ない」の二択で答えられるはずだが、「何を証明してもらうかという話であるならば」とポイントをずらして、鋭い視線で口元をしっかり結びながら頬を上げ、作り笑いをして見せた。


 学歴疑惑について多くの人に相談を行い、様々な意見をもらっていたと明かしたが、小池都知事自身がカイロ大に対応を依頼することはあったかという質問には「あった」とも「なかった」とも答えず、卒業を証明するのはカイロ大の領分だと繰り返し、口元をへの字に結んだ。


 7日後の19日の会見でも、カイロ大学の声明文について小島氏から発案はあったのか、発出をカイロ大側に依頼したかと問われたが、小池都知事は前回以上に素っ気なく、少々面倒くさそうな様子で、前回と同じ説明を繰り返した。


うつむいたままいかにも不機嫌そうに話す都知事
 卒業証書や卒業証明書については、うつむいたままいかにも不機嫌そうに話すが、カイロ大学卒業生として記念講演をしたという思い出話は楽し気に話す。声明文については「私自身が関知しているものではありません」と顔を伏せ、視線を上げずに言い切った。


 だが記者が、知事自身が発出を依頼した事実はないという理解でいいかと確認すると、急にまばたきが多くなり「基本的にこれ(学歴疑惑)は何度も起こっていること」と述べ、エジプト大使館が「対応されるのは当然だ」と自分の見解を述べた。


 だがいくら繰り返し騒動になっているとはいえ、一国の大使館がこのような対応をするものだろうか。そして、それを当然と言ってしまえるだけの関係が小池氏と大使館にあったのだろうか。


 この日の最後、小島氏の告発に対処するのかという質問に、小池都知事は「対処方法は考えていく」と書面に目を落としたまま答えた。大した問題ではない、と印象づけているようにも見える。


 続けて「問題の本質は極めてシンプルです」と顔を上げた。「カイロ大が卒業を決めた、権限があるのはカイロ大しかない」と淡々と述べながら、語尾を強調した。


「カイロ大が卒業を決めた」と小池都知事は述べたが、この言い方はあまり聞かない表現だ。だが、彼女は違和感なくさらりとそれを口にした。


 卒業を認める権限は大学にあり、その大学が「卒業を証明する」という声明を発表した以上、他の人には何も言う権限がない、ということだろう。自分が卒業したかどうかの確認は、メディア各社がカイロ大にやっていると、書面を片付けながら答えて会見を終えた。


 繰り返される質問にうんざりした表情が印象的だったが、都民としても何度も再燃する疑惑に早く決着をつけて欲しいのが正直な気持ちだろう。まずは正則アラビア語で質疑応答に臨み、カイロ大学首席卒業というその語学力を披露することから始めてはどうだろうか。


(岡村 美奈)