Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

やる気あるのか??!

 菅首相が今回、緊急事態宣言を発令しなければならない最大の目的は、医療体制を守ることだ。感染者数を減らすことは確かに大事だが、なぜそれが大事かというと、これ以上感染者が増えれば医療体制が崩壊してしまうからだ。


 「医療体制を守るために、強権を発動してでも政治の責任を示す」ことが、緊急事態宣言の最も重要な目的でなければならない。だが、そのことについて菅首相が4日の記者会見で語った言葉はこうだ。


 「特に東京を始めとするいくつかの都市で逼迫(ひっぱく)する状況が続いております。各地域において新型コロナウイルス感染者を受け入れる病院、病床の数を増やしていただく必要があります。国として、看護師などスタッフの確保、財政支援を徹底して行うとともに、各自治体と一体となって病床確保を進めてまいります。必要ならば、自衛隊の医療チームの投入も躊躇(ちゅうちょ)いたしません。医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供いたします」


 これだけである。どこにも具体的な対策がない。これでは、医療従事者の皆さんは安心して仕事ができないだろう。


 いろいろ書いてきたが、まとめればこういうことだ。


 菅首相は本当は、緊急事態宣言なんか出したくない。しかし国民の批判を受けるから、仕方なく出すことにした。出すのは出すけれど「宣言を出すことで政治は何をしたいのか」がまるでない。だから国民に「これまで同様の対策を」と要請することしかしない。


 要請によって政府が多額の補償をする事態は避けたい。だから、対象をできるだけ絞り込んだ「小さな宣言」にしたい。補償をしなくても、国民には自発的に国の要請に従ってほしい―。


 悲しいかな、首相のそんな本音は、あの記者会見だけで十分に感じ取れた。


 飲食店の営業時間というごく限られた分野に限り、補償の内容も事前に明らかにせず、最も肝心な「医療体制を守る」ことには何の具体策もない。


 そんな緊急事態宣言に、一体どれほどの意味があるのか。


 残念ながら、おそらく国民は「緊急」という言葉に、悪い意味で慣れっこになってしまった。政府も自治体もこれまで、単に「やってる感」を出すためだけに、たいした緊張感もなく「緊急」「重大」といった言葉を安易に使いすぎたからだ。


 もはや国民の多くは、法的根拠を伴う今回の緊急事態宣言との区別も、十分につかなくなっているのではないか。実際、街を歩いていても、昨年春に最初の緊急事態宣言が出た時のような緊張感は、ほとんど感じられない。


 そもそも、国民に自粛を要請しながら、中韓などからの「ビジネス往来」が野放しである。


 菅首相は緊急事態宣言の使い方を間違えて、コロナ対策の「最後の切り札」をこれほどまでに無力なものにしてしまった。その責任は本当に重い。