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安倍総理の志は死なない!!

新型コロナ対応、統計で歴然とわかる日台の「明暗」

明暗が完全に分かれた日台
 水際防衛とクラスタ戦略をとる日本は島国であります。また、新型コロナ・エピデミック対策において世界最優秀国とされる台湾も水際防衛・クラスタ戦略であり島国でもあります。
1.台湾
 昨年2月から3月に渡り、初動の水際防衛、クラスタ戦略に大成功した台湾は、極めて理想的な推移をたどっており、2020/12/22に検疫破りをしたエバー航空のパイロット(第765例)により1件の国内感染(第771例)が発生するまで、253日間国内感染者発生ゼロが続いていました。現在までにこのクラスタは制圧されたと考えられます。
 台湾は、安全地帯=バブルが国全体となっており、マスク着用や社会的距離などの一定の制限はありますが、国内はほぼ平時と変わらない平静さを保ち、旺盛な経済・社会・文化活動が営まれています。
 中国のような強権的な防疫を行わずにパンデミック対策に成功した台湾は、世界の理想と言えます。
2.日本
 本邦は、水際防衛とクラスタ戦略を標榜しています。
 しかし、外国人の入国を認めるなど底の抜けた桶であった事も指摘されていました。これは現在も抜本的改善がされておらず、12月には、英国変異株の国内市中感染を許しています*。
〈*英から入国…観察中会食 同席2人に変異株2021/01/11日テレNEWS24〉
 本邦は、実態の無い、やっているつもり、やっているふりだけで現場を疲弊させるだけのエセと言って良い水際防衛・クラスタ戦略を今に至るも続けており、東部アジア・大洋州のなかでマレーシアに次ぐワースト2であり、筆者は、感染率が米欧の1/5,000〜1/100**である東部アジア・大洋州の謎々効果が本邦では崩壊する日が近いのではないかと強く危惧しています。
 この本邦のCOVIT-19対策は、台湾のクラスタ戦略に対して、日本の「空想としてのクラスタ戦略」と呼称できるほどに空虚で効果のほとんど無いものだと言えます。
統計にもはっきりと結果が現れている日台の差
 このことは、統計にもはっきりと結果が現れており、例えば累計感染者数の比率は日本:台湾で370:1であり人口比は5:1となります。
 累計死者数でも台湾の7名に対して本邦は既に4100人を超えております。本邦は、1月中に累計死者数で中国を抜き、東部アジア・大洋州でワースト3となることは確実です*。
〈*まあ、中国の統計が信じられるかという問題はある。〉
 このように、日本と台湾を比較すると以前の記事で指摘したように次のようになります。
台湾:初動とその後の取り組みによって大成功をして世界の理想。近い将来、世界の感染症学の教科書に理想事例として残るであろう
日本:ビジネストラック入国やGOTOなど国策として誤り、失敗し続けて来ており失敗を正すこともままならない。


この先の見通し
 日台では、この先エピデミック第三波は、温暖・湿潤になる5月頃まで継続する可能性があります。
 今の傾向が続けば台湾は、世界最優秀国であり続け、人間の叡智の見本となるでしょう。
 本邦についての見通しは極めて暗いです。1月第二週のエピデミックこそは既述の様におそらく一過性でしょうが、それ以後、例え増加率の拡大が止まっても今の水準で新規感染者数が増え続ければ本邦の医療は遠からずウィルスに圧倒されます。本邦の医療体制は、医療従事者のとてもありえない低賃金重労働に支えられている実態があり、ハードウェアがあってもそれを少人数で支えているためもあって見た目と違い極めて脆弱です。
 また、感染力が極めて強い英国変異株の国内感染が発見されたように、既に英国変異株の市中への侵入が生じている場合は、2 月中にはその影響が現れると考えられます。その場合は、想定が全て極めて悲観的な修正を要します。
 一方で、昨年12月29日より本邦の移動傾向は東京と大阪を中心として全国的に10〜25%減少しており且つ現在もかろうじて継続していることは明るい兆しです。この程度の移動傾向の減少では、不十分でしょうが、入国禁止を徹底して更に25%移動傾向を減少させることができれば、副作用の大きなロックダウン無しで不完全ながら収束に向かわせることができるかもしれません。


なぜ日台でここまで明暗が分かれたのか
 戦略眼があるかどうかだと思います。
 台湾は武漢コロナウイルスのヒトヒト感染が確認されるとほぼ同時に武漢を含めた中国全体からの航空機の運航を停止しました。他方で、日本の動きは緩慢であった。2月13日に武漢を含む湖北省からの直接の入国を差し止めただけで、中国全土からの入国を停止したのは3月18日と遅かった。
 非常事態においてはまず採りうる最大限の対策を実行し、その後効果のないもの、薄いものから順次解除していくのがセオリーである。日本の対策は戦力の逐次投入に他ならない。とにもかくにも人の動きをいったん止め、まずは同一都道府県内の移動、国内の移動、海外との往来の順で解除すべきであろう。
ドイツ語ですが台湾の武漢コロナウイルス対策については以下のインタビュー記事があります。
"Wir haben unsere Sars-Lektion gelernt" - Wiener Zeitung Online