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カゴメ“英断”の波紋 新疆ウイグル自治区産トマトの使用停止、他分野に広がる可能性も

 中国政府による人権弾圧が国際問題になっている新疆ウイグル自治区について、大手食品メーカーのカゴメが、同地区で生産されたトマトの加工品を製品に使用しないことを決めた。アパレルブランドの一部に広がっていた取引停止だが、今後も多分野で広がりをみせる可能性もある。


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 「必ずしも人権問題に限って調達を停止したわけではなく、品質や安定性、コスト面など、総合的に判断して決定した」


 同社広報グループは夕刊フジの取材にこう回答した。これまで同地区で調達していた製品についても人権侵害の恐れがあるような場所で生産されたものではないことを確認しているという。


 中国におけるトマトの生産量は世界一で、世界の生産量の約35%を占める。カゴメによると、新疆ウイグル自治区は夏の日差しが強く、昼夜の温度差があることから、良質なトマトが生産できるとして、長年、生産プロセスを管理・検証して安全性を確保し、ソース類の製品に使用してきたという。


 新疆ウイグル自治区から原料を調達してきたことはホームページでも公表しているが、2020年度はトマトペースト全体の1%を調達した。すでに調達を停止し、21年以降も調達しない。


 同社の中国での売上高の比率は全体の約0・4%だが、前出の広報グループは「重要な市場と捉えている。製品の輸入を通じて現地の方の健康に貢献したいという思いは変わらない」と答えた。


 ロイター通信によれば、米税関・国境取締局(CBP)が1月、新疆ウイグル自治区で生産されたトマト関連製品全ての輸入を禁じると発表していた。CBPの推計によると、トマト関連製品は約1000万ドル(約10億9000万円)だったという。


 ウイグル問題をめぐっては、スウェーデン衣料品大手「H&M」や米スポーツ用品大手の「ナイキ」など大手ブランドが人権侵害を非難したところ、中国メディアが一斉に批判し、不買運動が拡散。通販サイトの停止や、モデルを務めるタレントの契約打ち切りなどが相次いだ。


 「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが昨年8月にホームページ上で人権侵害を容認しないと表明したが、今月8日の決算記者会見で新疆ウイグル自治区での強制労働問題について問われた柳井正会長兼社長は、「政治的なことなのでノーコメントだ」と明言を避けた。


 今後も英断を下す企業は現れるのだろうか。