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対中包囲はクアッドと共に 台湾は自由主義陣営、日本は「真の友」さらなる交流深化へ 台北駐日経済文化代表処・謝長廷代表単独インタビュー

産経新聞社 対中包囲はクアッドと共に 台湾は自由主義陣営、日本は「真の友」さらなる交流深化へ 台北駐日経済文化代表処・謝長廷代表単独インタビュー


 台湾の駐日大使にあたる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(75)が、夕刊フジの単独インタビューに応じた。習近平国家主席率いる中国共産党政権は、東・南シナ海で軍事的覇権拡大を進め、民主主義を掲げて「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権を揺さぶっている。菅義偉首相と、ジョー・バイデン大統領は日米首脳会談(4月16日)の共同声明で、「台湾海峡の平和と安定の重要性」と明記した。コロナ禍で緊迫化する安全保障情勢をどう見ているのか、日本への期待などを聞いた。
 「日本は、台湾にとって一番信用できるパートナーだ。東日本大震災(2011年)や、921大地震(台湾中部大地震=1999年)などで、『まさかの時の友こそ真の友』で助け合ってきた。この絆を、将来もつないでいくことに期待している」
 謝氏はこう語った。
 台湾政界の重鎮である謝氏は、これまで立法委員(国会議員)や高雄市長、行政院長(首相)などを歴任してきた。京都大学大学院で法学博士課程を修了した知日派で、2016年から駐日代表を務めている。今回のインタビューも、よどみない日本語で応じた。
 台湾は現在、中国軍機が頻繁に台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入し、中国の空母などが台湾海峡を通過するなど、軍事的緊張を強いられている。国際社会も、こうした台湾情勢に強い関心を寄せている。日米首脳会談の共同声明でも、52年ぶりに「台湾」が明記された。
 謝氏は「日米がそれだけ台湾を重要視している証拠だ。心から感謝する。台湾は地理的に(中国の防衛ラインである)『第1列島線』にあり、地域の平和と安定に重要な役割を果たしている。中国は『力の信奉者』といえ、一方的な現状変更をエスカレートさせ、不安と緊張を高め、地域での力のバランスを崩しつつある。これには、『自由』や『民主主義』『人権』『法の支配』といった価値観を共有する国々で抑止し、平和のためにバランスを取り戻すしかない。同盟の力や経済力を戦略的に運用しながら、相手の力を弱めるのが一策だ」と強調した。
 台湾周辺では、日本と米国、オーストラリア、インドの戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」が連携を強め、英国やフランスなど欧州各国も加わり、対中包囲網を敷いている。
 謝氏は「台湾も自由主義陣営の一員だ。正式な加入ではないにせよ、他の形でも(クアッド側に)参加できれば、地域の安定に貢献できると思う。中国は『自分こそが民主主義国家だ』と言うが、そんな独裁政権の『宣伝』は誰も信用しない。台湾こそが、真の民主主義の考えで発展してきた。これが強みだ」と語った。
 米インド太平洋軍司令官は今年3月、中国が6年以内に台湾侵攻する危険性について、上院軍事委員会の公聴会で証言した。「台湾有事」は、「尖閣有事」「日本有事」に直結する可能性が高い。ただ、日本には台湾との正式な外交関係はなく、米国の、台湾に関する基本政策を定めた「台湾関係法」のような法律も整備していない。
 そこで、謝氏は具体的な動きに期待している。
 「台湾は日本を信用している。今年に入り、台湾のパイナップルが中国の全面禁輸でピンチに陥ると、日本の人々や企業などが買い支えてくれた。これまでも、日米と台湾の間には(公衆衛生などさまざまな共通課題を議論する)『グローバル協力訓練枠組み(GCTF)』がある。これに加えて、台湾関係法の日本版である『台湾交流基本法』を整備し、台湾の存在も尊重していただけたら、日台交流もより一層、深まるはずだ」
 新型コロナウイルス変異株については、日本だけでなく、これまで「コロナ対策の優等生」と言われてきた台湾でも感染が拡大している。7月に開幕が迫った東京五輪について、謝氏は語った。
 「私もかつては器械体操の選手だった。五輪は世界のスポーツ選手にとり、大事な舞台だ。開催できるかは日本だけの問題ではない。ワクチンもある。コロナの困難を乗り越えて、開催できれば素晴らしいと思う」
  (報道部・村上智博)