２０日付の香港紙・明報などは、中国の著名な人権活動家で、国家政権転覆扇動容疑で逮捕された郭飛雄（本名・楊茂東）氏が、広東省の勾留施設で３か月以上にわたって絶食し、命がけの抗議をしていると伝えた。当局は郭氏に対し、胃に管を通して栄養を送る経管栄養を施しているという。
　郭氏は姉に最近出した手紙で、自身の死後、遺体は滞在先の米国で１月に病死した妻の張青さんと一緒に、故郷の湖北省の山に葬ってほしいと記した。姉は「家族からこれ以上死者を出したくない」と、弁護士を通じて郭氏に絶食の中止を求める考えだ。ただ、当局は郭氏と弁護士や家族との面会を認めていない。
　出国が制限されていた郭氏は昨年、容体が悪化した妻との面会のため出国許可を求めたが、当局は「国家の安全に危害を加えるおそれがある」として拒否。郭氏は昨年１２月に拘束され、今年１月に逮捕された。
　郭氏は２０００年以降、自由や民主化を求める運動に積極的にかかわり、これまでに計１１年間投獄された。妻の張さんは０６年、当局が郭氏への圧力を強める中、子供と米国に渡った。（広州支局　吉岡みゆき）