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安倍総理の志は死なない!!

沖縄が危ない! 潮目が変わった参院選の焦点 「オール沖縄」勢力衰退の影響 自公など戦略の大転換も 「辺野古移設の賛否」冷静な議論を

参院選が公示され、沖縄選挙区(改選定数1)では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力に支持された現職と、自民公認、公明推薦の新人が事実上の一騎打ちを繰り広げている。注目点は「辺野古移設への賛否」が選挙結果を左右するかどうかだ。

© zakzak 提供
沖縄では「オール沖縄」勢力が誕生した2014年知事選以降、主要な国政、県政選挙で辺野古移設が最大の争点とされてきた。
辺野古移設は、宜野湾市の市街地にある普天間飛行場を本島北部の米軍キャンプ・シュワブに統合し、宜野湾市民の基地負担軽減を図る事業だ。
だが、「オール沖縄」勢力と主要な沖縄メディアは、「県内移設は負担のたらい回し」などと主張する。移設を「新基地建設」と呼び、あたかも政府が戦争を準備しているかのような印象操作を続けている。
しかし、過去の主要選挙で沖縄の自民党はこうしたプロパガンダに正面から反論せず、むしろ辺野古に関する議論からひたすら逃げる姿勢を取り続けた。民意形成に圧倒的な力を持つ沖縄メディアの批判を恐れたのだ。
ここに皮肉な現実が生まれた。
辺野古移設は沖縄最大の課題とされているのに、沖縄ではそもそも移設を肯定的に語ることがタブー視されるようになったのだ。
その結果、沖縄では「辺野古反対」さえ叫べば選挙で有利になるゆがんだ空気が生まれ、「オール沖縄」勢力は県政を奪取したうえ、一時は衆参の沖縄選出6議席も独占した。沖縄にも多様な民意が存在することを考えれば、極めて異常な事態だ。
だが、2020年以降のコロナ禍で潮目が変わった。県民の経済的苦境が深まるなか、辺野古だけを選挙の争点に据えられる状況ではなくなったのだ。自公は昨年の衆院選までに、国会の2議席を奪還した。今年に入ってからは、名護、南城、石垣、沖縄の4市長選をすべて制した。
参院選では、さらに注目すべき動きが生まれた。
自公の新人が「辺野古容認」を初めて政策で明確化したのだ。これまで「辺野古」に腫れ物に触るように接してきた自公の態度からすれば、戦略の大転換と呼んでいい。ようやく辺野古を冷静に語る環境が生まれつつある。
参院選は9月の知事選への試金石だ。玉城デニー知事が、前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま・あつし)氏に再選を阻止されれば、「オール沖縄」勢力そのものが事実上、消滅する。
「オール沖縄」勢力誕生から8年。ロシアによるウクライナ侵攻や、台湾危機などで国際情勢は激変した。中国の軍事的脅威は増す一方だ。辺野古への賛否だけを投票基準とするような不健全な選挙を、沖縄がいつまでも続けていられる時代ではない。
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。