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中国、警察の出先機関を外国で設置か オランダが「違法」と非難

アナ・ホリガン、BBCニュース、オランダ・ハーグ
中国政府が「警察の出先機関」を少なくとも2カ所、オランダで無申告で設置しているとして非難されている。
オランダのメディアは25日、中国がヨーロッパにいる反体制派を黙らせるため、外交サービスの提供を役割とする「海外サービスステーション」を利用している証拠を見つけたと報じた。
オランダ外務省の報道官は、中国警察の非公式の出先機関が存在するのは違法だと述べた。
オランダの中国大使館は、そうした存在を認識していないとしている。
オランダ当局は調査に乗り出している。発端となったのは、スペインに本拠を置くNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が発表した「Chinese Transnational Policing Gone Wild」(中国の国境を越えた取り締まりが常軌を逸する)と題した報告書だった。
同NGOによると、中国の2つの省の公安局が、5大陸21カ国で計54の「海外警察サービスセンター」を設立していた。大半はヨーロッパにあり、スペインには9カ所、イタリアには4カ所ある。イギリスでは、ロンドンに2カ所とグラスゴーに1カ所あるという。
表向きには、国際犯罪への対処と、中国の運転免許証の更新などの行政事務をするために作られた。しかし、セーフガード・ディフェンダーズによると、実際には、反中国政府の発言をした疑いのある人々を強制的に帰国させるための「説得作戦」を実施しているという。
オランダの報道機関RTLニュースと調査報道プラットフォーム「フォロー・ザ・マネー」は、同国で中国警察に追われているという中国の反体制派、ワン・ジンギュ氏の話を伝えた。
それによると、同氏は今年、「海外警察サービスセンター」の関係者を名乗る人物から電話を受けた。
その際、「自らの問題を整理する」ために中国に戻るよう強く求められた。「そして両親のことを考える」よう言われたという。
それ以来、同氏は組織的な嫌がらせと脅迫を受けるようになった。中国政府の代理人が画策していると、同氏は考えているという。
オランダは調査と保護の意向
オランダの中国大使館はRTLニュースに対し、そうした警察の出先機関の存在は知らなかったとした。
オランダ外務省のマキシム・ホヴェンカンプ報道官は、「オランダ政府は、そうした取り組みについて、中国政府から外交チャンネルを通しては聞いていない。それ(中国の行為)は違法だ」と述べた。
また、政府として調査し、適切な対応を判断する必要があると説明。「中国国民がここオランダで脅しや嫌がらせを受けているとされるのは、非常に心配なことだ。警察が当該男性に保護を提供するため、どういう方法があるか検討している」とした。
パスポートの更新やビザの申請などの業務は通常、大使館や領事館が担当する。そうした場所では、ウィーン条約に定められた外交ルールが適用される。オランダも中国も同条約の締約国だ。
中国が批判を浴びているような警察の出先機関は、ホスト国の司法権や法律の下で与えられる保護を届かなくし、その国の領土保全を侵害する可能性がある。
中国外交部の汪文斌報道官は26日、警察の出先機関と外国で呼ばれているものは、「実際は国外にいる中国人のためのサービスステーション」だと説明。中国は他国の司法権を全面的に尊重していると述べた。
また、新型コロナウイルスの影響で多くの中国人が帰国できていないとしたうえで、「それらの人々が困難を乗り越えるのを支援するため、関係する地方政府がオンラインサービスのプラットフォームを開設している。こうしたサービスは主に健康診断や運転免許証の書き換えを対象としている」と話した。
脅迫して帰国を強要か
セーフガード・ディフェンダーズは、中国の取り締まり戦術について、犯罪との関連をしっかりと立証することや、ホスト国の適正手続きに従うことなしに容疑者を標的にしている点で「問題がある」としている。
取り締まりの主な手法は強要や脅迫で、逃亡者とされる家族を「説得」して帰国させるために実行されていると、同NGOは述べている。
中国では9月2日、「反電信・オンライン詐欺法」が成立した。これにより、その種の詐欺の疑いがある世界中の中国国民について域外管轄権が確立された。
理屈の上では、この新しい法律と、外国にいる中国の警察部隊によって、反体制派は逃げ場を失うことになる。
オランダへの亡命が認められた中国の反体制派に保護を保証し、オランダではオランダの法律が優先されることを示すよう、オランダ政府に圧力がかかっている。