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安倍総理の志は死なない!!

川勝知事の「遅延行為」が止まらない…リニア計画でムダな時間を要求する静岡県の「謎すぎる消耗戦」

中国のリニアなり新高速鉄道なりを先に開業させたいらしいw
JR東海の「前提条件」とは
2023年4月14日、静岡県はリニア議論の現在の焦点“田代ダム案”の「前提条件」で、大井川流域市町長らの意見をまとめた「修正」をJR東海に送った。
2週間以上も結論を先送りしたのに、県の「修正」はあいまいな表現で疑問点ばかり。意図的に手間を増やして、さらなるムダな時間を強いているのだ。リニア計画を遅らせ続ける川勝平太知事のいやがらせが透けて見える。
川勝知事が強く求める「県境付近の工事期間中の湧水全量戻し」に対して、JR東海は、東京電力RP(リニューアブルパワー)に田代ダムの取水抑制をしてもらい、山梨県へ流出する湧水500万トンと同じ量を大井川へそのまま放流してもらう解決策が“田代ダム案”である。
東京電力RPは“田代ダム案”に全面的に協力する姿勢だが、県境付近の工事期間中の限定的な対応であり、毎秒4.99トンの水利権とは全く無関係であることを県や流域市町などにちゃんと理解してもらうことを「前提条件」とした。
このため、JR東海は3月27日、県と流域市町10首長らの参加した大井川利水関係協議会で3つの「前提条件」を説明した。現代ビジネスに書いた記事(川勝知事と流域市町の大紛糾する「田代ダム案」の炎上…信頼性失った静岡県行政)の通り、県のみが異論を唱え、森貴志副知事が「疑問点があり、事務局で取りまとめたい」などと結論を先送りしてしまった。
JR東海の「前提条件1」である「“田代ダム案”は静岡県から県外へ流出するトンネル湧水量と同量を大井川に戻す方策として、工事の一定期間(約10カ月間と想定)に田代ダムの取水を抑制し、大井川に還元する案として検討していること」について、県の修正は、『一定期間』の後ろに、『(静岡県内のトンネル湧水が県外へ流出している期間。)』とつけ加えた。「約10カ月間と想定」の文言はそのまま残した。
ややこしすぎる県の「修正案」
会議では、染谷絹代・島田市長が「約10カ月間と工事期間を想定しているが、場合によってはそれを超える場合もありうる」と疑問を投げ掛けた。染谷市長の発言を踏まえれば、『工事の一定期間(約10カ月間と想定しているが、場合によっては前後することもある)』とすればわかりやすかった。
「前提条件2」の修正は非常にややこしい。
JR東海は、「“田代ダム案”は、永続的に行うものではなく、東京電力RPの水利権には影響を与えないこと」と非常にシンプルな「前提条件2」を提示した。
県の「修正」では、まず『2025年の田代川第二発電所の東京電力RPの水利権更新に関わる協議は、大井川水利流量調整協議会で行われる』を付け加えた。さらに『大井川利水関係協議会々員は、JR東海が3月27日の大井川利水関係協議会で説明した想定のとおり実施される場合は、この案を根拠とする水利権に関わる主張をしない。想定外の場合においては、JR東海は、大井川利水関係協議会々員と協議を行う』と、非常に長い但し書きをつけ加えている。『想定外のとおり』、『想定外の場合』というあいまいな表現は何を指すのか、さっぱりわからない。
「前提条件1」の修正で、染谷市長の「約10カ月間と想定」の疑問点は解消されたから、ここの『想定外』は「前提条件1」とは別の意味なのだろう。
中野弘道・焼津市長は、『想定外のとおり』、『想定外の場合』がわかりにくいため、その表現を削除するよう求め、県の「修正」ではなく、独自の「修正」を出した。そのため、県は「焼津市を除く大井川利水関係協議会会員」と「焼津市」の2つの「修正」をJR東海宛の通知に併記してしまった。
焼津市の「修正」のほうが、『想定外のとおり』、『想定外の場合』がないから、非常にわかりやすい。
流域首長の意見を「無視」
ただ、焼津市は『仮に東京電力RPの水利権に影響を与えることになる場合においては、JR東海は、大井川利水関係協議会々員と協議を行う』を加えた。焼津市に確認すると、“田代ダム案”が東京電力RPの毎秒4.99トンの水利権を超えた場合を想定したという。もともと水利権の範囲内の協力であり、毎秒0.2トン程度の湧水を放流するに過ぎないから、非常に紛らわしい但し書きとなった。これを削除すれば問題ない。
焼津市の「修正」を他の市町長らは確認したのだろうか? 県の「修正」よりも焼津市の「修正」のほうがわかりやすいから、こちらを採用すればよかった。
県担当事務局の「修正」は、もともとのJR東海の「前提条件」よりもわかりにくくなっている。疑問点を解消するための「修正」ではなく、これでは別の意図があったとしか思えない。
そもそも『2025年の田代川第二発電所の東京電力RPの水利権更新に関わる協議は、大井川水利流量調整協議会で行われる』は不要である。今回の“田代ダム案”の前提条件とは全く無関係である。この内容は大井川水利流量調整協議会のメンバーである島田市、川根本町はちゃんと了解している。
大井川利水関係協議会の意見を踏まえた「修正」なのに、その会員からひと言も出なかった「大井川水利流量調整協議会」はどこから出てきたのか?
川勝知事は「田代ダム案は、大井川水利流量調整協議会での判断が必要」と何度も述べてきた。この期に及んでも、『田代ダム案が水利権と全く関係がない』という発言を川勝知事は行っていない。
東京電力RPが求めているのは、“田代ダム案”を議題とする「大井川水利流量調整協議会」開催にこだわってきた川勝知事からの“担保”である。この不気味な一文をなぜ、県がわざわざ入れたのか、JR東海は真意をただしたほうがいい。
3月27日の大井川利水関係協議会の会合で、「“田代ダム案”の協議を前に進めるべき」とする中野市長が「この場で結論を出してほしい」と県事務局に迫った。「決を採るべき」など、ほとんどの首長がこの意見に同調した。染谷市長は「ほぼ全員が了解したのに、『待った』を掛けたのは県だけだった」と厳しい意見を述べた。
今回の「修正」でも流域首長らの意見は全く無視されたのだ。
ムダすぎる「消耗戦」に突入
JR東海は「焼津市と焼津市を除く2つの修正を併記している趣旨と『想定外のとおり』『想定外の場合』の意味するところを確認したい」とするコメントを出している。
県の提示した「修正」があまりにもあいまいで不明な点が多いから、これでは東京電力RPは了解できないからだろう。東京電力RPと調整をした上で、JR東海は文書で、県に問い合わせることになる。
ようやく「修正」をもらったのに、さらなる時間と手間ばかりが掛かり、面倒な作業が続く。そのようなムダな時間を掛けさせるのが県の狙いである。
さらに県の通知には、前提条件の「修正」だけでなく、2つの意見も添えられた。その中の1つが、「山梨県の調査ボーリングをやめろ」について県専門部会で議論することを求めている。県専門部会の森下祐一部会長は「田代ダム案とセットで、山梨県のボーリング調査をやるべき」と、いったん「山梨県の調査ボーリングをやめろ」と何度も執拗に求めてきた。
4月26日開催される県専門部会で、森下部会長が山梨県の調査ボーリングで静岡県の水が引っ張られる“トンデモ科学”を持ち出して、“田代ダム案”の前提条件を了解する代わりに、山梨県の調査ボーリングをやめさせることを再び、求めるはずだ。
「前提条件3」の「東京電力RPの協議内容には、高速長尺先進ボーリングからの湧水に対して田代ダム案を適用することも含む」について、県の修正がなかったことで、これは明らかである。
3月27日の会議の席で、森副知事は「前提条件3」について、「山梨県の高速長尺先進ボーリングを含む」と“勘違い発言”をした。JR東海がその場で、森副知事の発言を訂正したから、今回の「修正」に「静岡県内の高速長尺先進ボーリングに限る」を加えるべきだった。ところが、県はあえて『修正なし』とした。
つまり、“田代ダム案”と「山梨県の調査ボーリングをやめろ」をセットにして、“田代ダム案”の協議を認める代わりに、県は「山梨県の調査ボーリングをやめろ」を強く主張するのに都合よく、そのままにしたのである。
県専門部会で、JR東海があらためて「山梨県の調査ボーリングは予定通りに行う」と押し切れば、川勝知事が翌日27日の定例会見で、JR東海を厳しく批判するシナリオに続くのだろう。
見事なまでに、JR東海にムダな消耗戦を持ち掛けて、リニア計画の停滞をもくろんでいる。これが川勝知事の戦略である。丹羽俊介・新社長が川勝知事に頭を下げるだけでは、リニア問題は解決へ一歩も前に進まないのだ。
どうする、JR東海!