就任後初の定例記者会見に臨む難波市長（２５日、静岡市役所で）© 読売新聞
　リニア中央新幹線静岡工区をめぐり、ＪＲ東海が示した田代ダム（静岡市）を活用する大井川の流量確保案について、静岡市の難波喬司市長は２５日、就任後初となる定例記者会見で、「有力な案として実現を目指すべきだ」と述べ、支持する考えを示した。
　同案は、工事で水が県外に流出する分、東京電力リニューアブルパワーが田代ダムで発電用に取水する量を減らすもので、大井川流域市町が実現に期待を寄せる。県は、慎重な姿勢を示しつつ、今月に入りＪＲ東海と東電側が協議を始めることを了承した。
　難波市長は、「県の理事をしていた時も、同案は良いと言った」と説明した。難波市長は、リニア担当だった副知事時代から「十分あり得る」と発言するなど、同案に対して前向きな姿勢を示してきた。
　また、流域１０市町との関係については、「連携を強化し、一体的に動いていきたい」と語った。一方、流域市町や利水団体でつくる「大井川利水関係協議会」への加入には「こだわっていない」とした。
　流域１０市町の首長は今月、リニアの議論を進めるため、国の積極的な関与を求める連名の要望書を国土交通省に提出している。