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安倍総理の志は死なない!!

トヨタの科学責任者が早すぎる脱化石燃料に警鐘、施設追いつかず

(ブルームバーグ): トヨタ自動車のチーフ・サイエンティストのギル・プラット氏は、広島で開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、電気自動車(EV)への移行が早すぎると消費者がガソリンなど化石燃料を消費する内燃機関車に固執する恐れがあると警告し、ハイブリッド車(HV)に長い猶予期間を与えるよう呼び掛けた。
  特定のパワートレインを対象とした補助金や規制は、金銭的な余裕のある消費者にとっては電気自動車を魅力的にするかもしれないが、そうでない人にとってはまだ内燃機関車は適しているかもしれないと、トヨタ・リサーチ・インスティテュートの最高責任者である同氏は18日、広島で記者団に対し語った。
  トヨタは従来から完全な電気自動車への移行には予想以上に時間がかかり、ハイブリッド車や代替燃料を取り入れた多角的なアプローチの方が環境にも自動車産業にも良いと主張している。そのため、同社がイーロン・マスク氏率いる米テスラや中国のBYDなど競合するEVメーカーに大きく水をあけられているとの批判を生んでいる。
  「最終的には資源の制約はなくなるだろうが、何年もの間EVだけによる解決法では、十分なバッテリーの原材料などを確保することはできないだろう」とプラット氏は話した。
  また、「いずれバッテリーの原材料や再エネ由来の充電網も十分に普及するときが来るだろう」と予測。その上で、「しかし、十分な原材料を確保するための鉱山開発や、再生可能エネルギーを利用した発電設備、送電線、また長期的、安定的に十分な電力を供給するためのエネルギー貯蔵施設などの拡充には何十年もかかる」とも指摘した。
  トヨタをはじめとする国内自動車各社は、HV技術のパイオニアでありながら、EVの生産拡大には遅れをとってきた。一部の企業は今後数年間にEVの生産を急速に拡大する計画を発表したが、HVやガソリン車をいつ、どのように廃止する予定なのかについては明らかにしていない。
  トヨタの豊田章男会長は日本自動車工業会の会長としての18日の会見で、「EVも非常に大切な選択肢の1つだ」と述べた。  
  4月までの14年間のトヨタの最高経営責任者(CEO)の在任期間中、豊田氏はハイブリッド車や従来の内燃機関を搭載した車と並べてEVを販売するという施策をとったことで、称賛と批判の両方を受けていた。
  豊田氏の戦略は、2035年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を半減させ、今世紀半ばまでに脱炭素化するというトヨタの目標に合致していないとの批判を受けている。これに対し、同氏は「温暖化に対して何かしていこうということ、敵は炭素」と反論している。
  4月に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した佐藤恒治氏は、26年までに年間150万台のEVを販売し、10モデルのEVを発売する計画を明らかにしている。トヨタの23年3月期のEVの販売台数は3万8000台だった。
原題:Top Toyota Scientist Warns Against Ditching Gasoline Too Soon(抜粋)
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