Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

消費税を廃止すればいいだけの話なんだが…


サラリーマン増税を否定した岸田政権、今度は「物価高対策」の見直し論浮上 電気、ガス、ガソリン代…国民負担増直結


「サラリーマン増税」を否定した岸田文雄政権だが、今度は「物価高対策」の見直し論が浮上している。首相が議長を務める経済財政諮問会議で、電気・ガス料金の負担軽減やガソリン価格を抑制するための補助金について段階的に縮小、廃止するよう民間議員が提言した。物価高対策の終了時期は9月末に迫るが、物価上昇が続き、実質賃金がマイナスとなるなか、制度の見直しは国民の負担増に直結しかねない。専門家は「拙速な負担増は〝いつか来た道〟だ」と述べ、景気失速に警鐘を鳴らす。

レギュラーガソリンの全国平均価格は24日時点で1リットル当たり174円80銭と10週連続で値上がりし、ロシアがウクライナに侵攻した昨年以降の最高値175円20銭に迫った。調査した石油情報センターの担当者は「補助の縮小で来週も値上がりを見込んでいる」と話す。
実は政府の補助金は6月以降縮小している。今回は1リットル当たり10円30銭の抑制効果があったが、27日からは8円40銭となる。
光熱費やエネルギー価格の負担軽減策「激変緩和対策」は1月から開始されたが、電気、ガスは9月使用分までを支援対象とし、ガソリンの補助金も9月末で終了予定だ。
資源エネルギー庁のサイトでは、標準世帯の1カ月当たりの電気料金2800円、都市ガス料金900円、ガソリン価格は当初1リットル当たり25円の負担が軽減されていた。1~9月に約4万5000円の負担軽減と試算している。
現状では賃金上昇が物価上昇に追いつかず、家計の負担感は強いままで、措置の延長を求める声も上がっている。
これに対し、20日の諮問会議では民間議員から、政府の物価高対策については「物価高の影響を強く受ける低所得者・地域などに絞ってきめ細かく支援すべきだ」とした。「歳出構造を平時に戻していくこと」として、財政拡大を戒める声もあった。
だが、22年度の税収は約71兆円と過去最高だ。第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは、今年度の税収見通しを78兆5000億円程度と試算した。内閣府の試算では、政策効果が最も高い「成長実現ケース」でも26年度に77兆2000億円だが、今年度の段階ですでに上回る可能性があるというのだ。
なぜ政府の税収の試算は低く出るのか。試算には名目国内総生産(GDP)が1%伸びた場合、税収が何%になるかを示す「税収弾性値」を用いるが、ここに問題があると永濱氏は指摘する。
「景気が良くなれば、税収も増えるのが普通だが、政府は税収弾性値を慎重に見すぎている可能性がある」と解説する。税収を実態より低く見積もれば、不足分をどう補うかという議論になる。増税や負担増を実現させたい勢力にとって有利な状況だ。
物価変動の影響を差し引いた実質賃金は今年5月まで14カ月連続マイナスだ。諮問会議では、賃上げや輸入物価の下落を背景に「(今後は)実質賃金はプラスになることが期待される」というが、23年度の消費者物価指数(生鮮食品を含む総合)は前年度比2・6%上昇する見通しだ。
永濱氏は「実質賃金がマイナスの現状で電気、ガスなどの負担軽減策を縮小・廃止するのは時期尚早。生活に欠かせないサービスの値上げは負担感が増して財布のひもを締めやすくするため、景気回復の芽を摘みかねない。拙速な負担増は、経済の本格回復をさえぎる〝いつか来た道〟で、『失われた30年』から脱却する芽が摘まれてしまう可能性がある。経済が本格回復するまで、できるだけ追加の負担増は先送りすべきだ」と強調する。
岸田文雄首相は諮問会議で、物価高に関し「家計の実質所得に与える影響には十分な注意が必要だ。国民生活への影響を見極めつつ、国民目線に立った対応を進める」と述べた。10月以降も物価高対策を継続する可能性はあるが、来年度以降も慎重に判断すべきではないか。