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「誤った情報の拡散やめて」 JR東海、リニア静岡工区問題で川勝知事発言に反論

リニア中央新幹線静岡工区問題を巡り、JR東海は24日、着工を認めない川勝平太静岡県知事による「誤った情報」を基にした報道が多くみられるとして、メディア向けの説明会を開いた。川勝氏が主張する部分開業案について、品川-名古屋間の早期開業には「部分開業ではなく、静岡工区に一日でも早く着工することが重要」と反論した。


「中央新幹線計画は大変大きなプロジェクトで、誤った情報が広がると多数の関係者に影響がある」


JR東海幹部は説明会の冒頭、直近でリニアに関する「さまざまな発言」があり、それを基にした誤った情報が報道を通じて広がっていることを懸念した。


事実誤認か、曲解か


リニアを巡っては、川勝氏が昨年12月に提案した県内工区を後回しとする部分開業案により、再び混乱が巻き起こっている。「部分開業」は主に山梨-神奈川間のことを指し、各方面から「非現実的」「ありえない」など批判が噴出した。


だが、川勝氏は「(JR東海の)計画に書かれていることだ」と正当化。平成22年公表の同社資料「超電導リニアによる中央新幹線の実現について」の中にある「工事は完成までに10年を超える期間を要し、早期実現のために早期着工が必要。さらに最新技術維持のため、実験線の延伸完成から間断なく着手することが重要」との記載を持ち出したのだ。


「実験線」は山梨県内にある全線42・8キロ区間の山梨リニア実験線のことだ。川勝氏は「実験線が完成するというのは、実験線が実験線でなくなること。つまり実用線になること」と主張。実験線をはさむ山梨県駅と神奈川県駅を結ぶことこそが「実験線が完成すること」といい、それにより(部分)営業が可能になるという論法だ。同氏は「JR東海が公式の場で言っていることを私が言っているに過ぎない」と話すが、意味が分かりづらく、もはや事実誤認の域を越えて曲解しているとすら思える。


沿線知事に提案意向


JR東海は説明会で、資料作成当時は実験線を現在の区間とするべく延伸工事中だったとし、「『実験線の延伸完成』は文字通り42・8キロへの延伸を指しており、駅間を結ぶ営業運転を意味していない」とした。


さらに同区間の部分開業では、リニアで東海道新幹線が停車する品川と名古屋をつなぐことで、非常時などに向けた同新幹線のバイパス機能を果たすとの目標が達成できず、「品川-名古屋が開業の最小単位であると考える」と訴えた。


だが、川勝氏はどこ吹く風だ。リニア沿線の都府県でつくる期成同盟会で、部分開業案を提案する意向を示している。


自身要因もJRを批判


また、JR東海は静岡工区が着工できないため、目指す品川-名古屋間の開業時期を従来の「令和9年」から「9年以降」に変更した。それを受け、川勝氏は「9年という数字が実質消えたため、(大阪までの全線開業予定時期である)19年までに全線開通するというのが残された最後の期限になる」と主張。しかし、同社は「品川-名古屋間の9年開業が困難だからといって、同区間の早期開業を目指すという姿勢に変わりはない」と、川勝氏の独自解釈を打ち消した。


そのほか、川勝氏が南アルプストンネル工事に必要となるヤード(作業場)整備が終わっていないとし、「船ができていないのに寄港地の研究をしているようなもの」と主張していることについて、「工事ヤードの整備が止まっているのは知事の了解が得られないため」と反論した。(福田涼太郎)