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安倍総理の志は死なない!!

トランプ氏支持、大統領当選時より広く

 11月の米大統領選に向けた共和党の候補指名争いでは23日、トランプ前大統領が第2戦となる東部ニューハンプシャー州の予備選で、ヘイリー元米国連大使に勝利した。米国政治に詳しい早稲田大・中林美恵子教授に勝因と今後の見通しを聞いた。【聞き手・大前仁】


 もしヘイリー元国連大使がニューハンプシャー州予備選でトランプ前大統領に勝利したとしても、その後も続く指名争いに勝てる確率は3割程度だろう。ブッシュ(子)政権(共和党)のホワイトハウスで経済政策を担う高官だった昔の同僚は、2023年11月の時点でそう指摘していた。同僚の知り合いは保守的な政策を唱えるトランプ氏を支持せずに、ヘイリー氏に大口の献金をしたが、すでに劣勢が予測されていた。


 今回の予備選を前にして、ヘイリー氏はニューハンプシャー州のスヌヌ知事から支援を受けていたし、予備選は共和党員に限らずに無党派の有権者も投票できる形式だった。穏健派と位置づけられるヘイリー氏にとって有利な条件がそろいながらも勝てなかったことから、この先の展望は相当に厳しいと思う。
 四つの刑事事件で起訴されているトランプ氏が裁判を控えていることもあり、ヘイリー氏としては取りあえず指名争いから撤収していないという側面もあるだろう。


 前週のアイオワ州の党員集会でも、ニューハンプシャー州予備選でも明らかになったのは、有権者の間ではトランプ氏が圧倒的に支持されているということだ。知人が私に送ってきたニューハンプシャー州の現場の画像では、600人にも上るトランプ氏の支持者が氷点下の寒さの中で何時間も列を作り、集会に参加しようとしていた。逆にヘイリー氏の集会では、平均しても200人程度しか集まっていなかったという。


 トランプ氏は大統領に当選した16年の選挙で、工業が落ち込んだ東部や中西部の州で労働者などから支持を集めた。当時の共和党では支持層の人口が将来的に減っていくと予想されていたことから、トランプ氏は新たな支持層を獲得してきた。この点でも、共和党が変わっていくきっかけを作っていた。


 今回の支持は当時よりも広がっている。厳寒の中で列を作る人たちの姿を見たら、そう思えてならない。


 第二次大戦後から米国が責任を持ってきた国際秩序を維持していく役割を続けていくことに人々は疲れを感じている。そのような人たちが新たにトランプ氏への支持に回っているのかもしれない。ヘイリー氏は国連大使まで務めた経験を持つのだが、そのような人物でも支持を集められていないのだ。