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リニア「37年までに全線開通」…静岡県知事発言をJR東海が否定

 リニア中央新幹線の静岡工区をめぐって、川勝平太・静岡県知事が年頭会見で「2037年までに品川―大阪まで全線開通というのが、残された最後の期限だ」などと述べたことに対し、JR東海の木村中・専務執行役員は24日、「まずは品川―名古屋間の工事を進め、完成したら大阪までの工事に入る計画だ。37年全線開業をめざすわけでは決してない」と反論した。


 リニア事業を行うJR東海がこの日、報道向けの説明会を静岡市内で開いた。開業時期や部分開業の区間など、川勝知事の発言に不安を感じたリニア沿線の自治体から問い合わせが寄せられたことから、改めて事業計画を説明する必要があると判断。木村氏は「事実と異なり困惑している」といい、知事発言を検証し、反論する異例の説明会となった。


 JR東海は昨年12月、27年としてきた品川―名古屋間の工事完了時期を「27年以降」に変更する計画を国土交通省に申請し認可された。自然環境への悪影響を理由に川勝知事が静岡工区のトンネル工事で着工を認めないのが理由だ。
 この変更を受けて川勝知事は、朝日新聞の新春インタビューで「トンネル工事は大阪までの全線開通時に完了していればいい」と発言。4日の年頭会見でも、27年の品川―名古屋間の工事完了目標は「実質消えた」と述べた。木村氏は、知事の発言の趣旨を「品川―大阪間の一括工事で開業する方式だと思う」とし、「資金的、経営的、施工能力としても厳しい」と否定した。


 また、知事が提案する神奈川―山梨間での部分開業についても、追加設備が必要で更なる開業の遅れにつながりかねないとして「現実的でない」とした。大規模災害対策など東海道新幹線のバイパス機能がリニア建設の目的だと強調し「新幹線と交差する品川―名古屋間が最小単位だ。新幹線と交わらない部分での部分開業はない」と述べた。工事が進む岐阜や長野の自治体から知事発言についての問い合わせが来ているという。


 JR東海は、知事の発言が事業計画と異なる場合、県の担当部局に説明しているという。木村氏は「県内部でどう情報が展開されているかは分からないが、事業内容が誤解を与えかねない形で発信されることはいいことではない。私どもの事業内容は正確に認識した上でご発言をいただきたい」と求めた。(田中美保)