Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

「喧嘩うってんのか」中国・習近平にはベタぼれ!公約違反と暴言で振り返る川勝県政「御殿場はコシヒカリしかない、浜松にはシラスがある」

辞表願を提出した静岡県・川勝平太知事を巡っては、リニア中央新幹線・静岡工区の着工を認めようとせず、日本中から注目されるようになった。JR東海も2027年リニア開業の断念を発表するなど、「国益にまで影響が及ぶ」と各方面から苦言が呈されている。例えば実業家の堀江貴文氏も「静岡県知事1人のゴネで国家的プロジェクトがここまで遅れてしまうという民主主義のバグ」「さすがに静岡県民はそろそろ『うちの県のわがままが過ぎた』と気付いてくれないと困る」「マジで静岡県に対して損害賠償請求して欲しいくらい」と声を荒げている。


また、辞表願を提出した際、報道陣から今の心境を問われて「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人もひとなれ」と、明智光秀の娘「細川ガラシャ」の辞世の句を詠んで応えたことに「ケンカうっているのか」などとネットでは話題になった元経済誌プレジデントの編集長で作家の小倉健一氏が川勝県政を振り返るーー。


暴言、ウソ、公約違反のオンパレードであった
ウソと失言と暴言を繰り返してきた川勝平太氏が辞表を提出。史上最悪の静岡県政がいよいよ終わりを迎える。新しい知事を選ぶ選挙が予想より早く行われることになった。具体的には、選挙の告示が5月9日に、投票日が5月26日に設定される可能性がある。これは、新しい知事を決めるまでの期間が約2か月と非常に短いことを意味している。
NHKをはじめとする主要メディアが川勝知事の「問題」に、積極的に向き合うようになったのは、去年の後半に入ってから。それまでは、一部ウェブメディアが頑張っていたぐらいで、川勝氏の資質を問題視するメディアはほとんどいなかった。


しかし、暴言で辞任する川勝知事は、今年に入って突然暴言を吐きはじめたわけではない。就任直後から、暴言、ウソ、公約違反のオンパレードであったのに、地元紙静岡新聞が中心となって、川勝県政を応援し続けたために、あまり人の目に触れることがなかったのだ。


メディアとしての役割を果たしてこなかった静岡新聞は論外としても、騒ぎになったから報道するだけではなく、川勝知事のようなダメな政治家について、他メディアはもっと早くから関心を持ってほしかった。


川勝知事「コンクリートから人へ」。就任直後からその公約は反故
川勝知事が県知事に初当選したのは、2009年7月だ。当時、民主党が政権交代を果たした勢いに便乗し、川勝知事は「コンクリートから人へ」という脱公共事業の公約を掲げた。しかし、就任直後から、その公約は反故とされてしまった。


展望施設「日本平夢テラス」(静岡市)、富士山世界遺産センター(富士宮市)や静岡空港ターミナルビル(県有化して増改築、牧之原市)、ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)など、積極的にハコモノを量産してきた。このほど、必要とは到底思えない「浜松市西区の野球場」建設も反対の声を押し切ってまで進めている。展望施設「日本平夢テラス」の開館式典では「この施設を造ることが大きな夢だった」と涙を流していたという報道があった。有権者を騙して流す涙とは、いったい、何のための涙だったのだろうか。


就任直後、1年経って、川勝知事は『日本の理想 ふじのくに』という本を出版している。


その中で、


<アメリカは、日本の猛追で製造業が空洞化し、残された最後の領域のマネーゲームに走りました。その影響をモロに受けた人は多い。例に出して申し訳ないが、一時話題をさらったホリエモン君。彼はマネーゲームの世界で大儲けした。その財で30億円のジェット機を買うなど、自分のためだけに使った。富の使い方に問題がありました。(中略)お金の使い方とは、どのように生きるかということ、つまり生き方に他なりません。生き方は文化です>(P301~302)


と、実業家の堀江貴文氏に対して、謎の上から目線を披露している。他にも同書には、訳のわからないことばかりが自慢げに羅列してある。


習近平にベタぼれした川勝知事
〈1月10日午後、天安門広場の人民大会堂において、国家副主席の習近平氏とお目にかかりました〉〈初対面です。お互いにメモは見ず、目を見つめ合いながら話しました。すぐに、メモの内容から脱線し、気づけば、1時間! 新華社の記者が、自分の知るもっとも長い公式会見だったと感想をもらしました〉


川勝知事は興奮気味に当時を振り返っている。その後に開催された歓迎晩餐会では、習近平主席にこう語ったという。


〈「絶世の美女と謳われた西施(せいし)からその名をとった西湖(中国の景勝地)と、霊峰富士山(信仰の対象としての富士山)とは、互いに惹かれ合い、恋人となることを運命づけられていました」と述べたとき、習副主席は声をあげて笑みをこぼし、場が一気になごみました〉


日本国の静岡県知事として、このような記述をして、どういう神経をしているのかわからないが、「目を見つめ合い」「恋人となることを運命づけられていました」など言葉の至るところに、習近平主席を恋愛対象とみているかのような表現が繰り返されている。


「静岡の水」問題を巡りに山梨の水に物言いつけた
静岡県民にとって、有名なのは「大井川の『命の水』だ」「一滴も譲らない」とする発言だろう。この言葉を選挙戦でも繰り返し続け、大井川流域の住民の不安を煽るだけ煽り続けたわけだ。川勝知事の主張をわかりやすく言えば、トンネル工事で出た水は、例えば、どこからかもってきてはダメで、出た水そのものを全部すくい上げて大井川に戻せということだ。水は水であって、大井川水量に懸念があれば、大井川で減った分戻せばいいのは自明だが、川勝知事はトンネル工事で出た水は全てすくい上げろというのである。国が設置した有識者会議で、工事によって川の水量は減らないとお墨付きをもらっても、川勝知事は聞く耳を持たず、「一滴も譲らない」の一点張りだった。


まことに合理性を欠いた話ではあるが、民間業者であるJR東海は、静岡県の妨害工作でしかない要求をのんだ。今振り返ればわかると思うが、水がどうなろうと川勝知事はリニアに反対していたわけで、川勝知事の妨害工作の一環でしかなかった。


他にも、JR東海はトンネル工事後に出る水をくみ取って戻す準備を整えたが、川勝知事はトンネル工事中に出る水も「一滴も譲らない」と言い出したこともあった。これに対しては、山梨県の長崎幸太郎知事が静岡県の方法論に怒りを示したが、これは、川勝知事が「山梨県側から県境を越えて静岡県内を掘削するトンネル工事において、トンネル内の湧水が山梨県側に流れてしまい、大井川に戻せない期間がある」として、山梨の水にまで物言いをつけたことに起因する。


川勝知事が言い出すことが支離滅裂なのは一貫
山梨県側に水が流れ出るのは工事中の約10か月という、ごく限られた期間であり、流れ出る水の量も大井川の年間流量の0.2~0.3%という解析結果が出ている。最大でも500万トンだ。一方、大井川の流量は年間約19億トンで、年によって9億トンの増減幅があるとされる。それと比べると500万トンの県外流出は誤差の範囲内だ。先述した国の有識者会議でも、そのように結論付けた。


水の問題が解決しそうになると、今度は盛り土の「土」の問題、生態系の「虫」「魚」などもリニア工事で影響を与えるかもしれないと言い出した。終わりのない消耗戦へと事態は突入していったのだ。問題は、川勝知事が言い出すことが支離滅裂なのは一貫しているが、テーマの専門性が高い話で、丁寧に理解しようと思えばできるのだが、それを読者に伝える ことが大変だった。新聞各社も記者会見で知事を追及するも暖簾(のれん)に腕押し、のらりくらりと交わされ続け、事態は膠着してしまっていた。


記者たちは川勝知事のおかしさに気づいているのに攻めきれない。そんな状態に川勝知事は油断をしたのか、ひどい暴言を吐くようになっていった。


それまでも暴言はいくつかあった。


「やくざの集団、ごろつきがいる」発言で人を傷つけ続けた
「(自民会派に)やくざの集団、ごろつきがいる」(2019年12月19日、県議会会派の予算要望の場)


「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。ただ飯だけ食って、それで農業だと思っている。こちらにはウナギがある。シラスもある。三ケ日みかんもある。肉もある。野菜もある。タマネギもある。なんでもある。もちろんギョーザもある。そういうところでですね、育んできたこの青年を選ぶのか」(2021年10月23日、浜松市で行った参院静岡選挙区補欠選挙での山崎真之輔氏に対する応援演説)


任期中、ポツポツとあったが、辞任には至っていない。しかし、今年に入って暴言がひどくなった。


「磐田っていう所は文化が高い。浜松よりもともと高かった」「藤枝東高は(生徒が)サッカーをするためにやってきている。ボールを蹴ることが一番重要。勉強よりも何よりも」(3月13日)


「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」(4月1日、新入県職員への訓示)


任期当初からの川勝知事の発言をチェックしてきた私でも、言葉が雑になり、本音なのだろうが、公に言ってはいけないことを川勝知事が自分で制御できなくなっていくのがわかった。


もう一年の任期を続けていたら、さらに人を傷つけて静岡県民の憎悪が何百倍にもなっていただろうから、潮時であったということだろう。