全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは！
北野です。
世界平和。
去年は、ロシアによるウクライナ侵略が開始されました。
それで、世界平和について考えた、考えている人も多いの
ではないでしょうか？
一方、私の娘（姉）と息子（弟）は、しょっちゅうケンカ
しています。
それを見ながら、「一つの家族の中にも戦いがあるのに、
世界から戦いをなくすのは本当に難しい」
と思ってしまいます。
どうすればいいのでしょうか。
私たちにできることはないのでしょうか？
▼一人の行動が国家間の関係を変えることもある
世界に平和はない。
ですが、私たちはあきらめず、一歩でも半歩でも進んでい
きたいものです。
一人の行動が、二国間の関係を長期にわたって好転させる
こともあります。
わかりやすい例は、「命のビザ」の杉原千畝さんですね。
杉原さんは2次大戦中、日本領事館領事代理としてリトア
ニアに赴任していました。
そこに、ナチス・ドイツによって迫害されていた多くのユ
ダヤ人がやってきた。
彼は、ユダヤ人にビザを発給し、彼らが亡命できるよう手
助けしたのです。
ユダヤ人は、今も杉原さんのことを覚えています。
そして、日本とイスラエルの関係は、良好です。
もう一人、樋口季一郎陸軍中将も、ユダヤ人を救ったこと
で知られています。
樋口さんがハルピン陸軍特務機関長だった頃の話。
1938年、ユダヤ人18人がドイツの迫害から逃れるため、
ソ連と満州国の国境沿いにあるオトポール駅まで逃げてき
ました。
彼らは、アメリカの上海租界に行くことを望みましたが、
満州国外交部が入国の許可を出さなかったため、足止めさ
れていたのです。
満州国が入国を渋ったのは、日本が当時、ドイツの同盟国
だったから。
樋口さんは、ユダヤ人に食料、衣服、燃料を提供。
満鉄総裁だった松岡洋祐さんに直談判して、ユダヤ難民を
上海に脱出させました。
この話がユダヤ人の間に広まり、このルートでナチス・ド
イツから逃げる人が急増。
ソ連ー満州経由で脱出するルートは「ヒグチ・ルート」と
呼ばれるようになりました。
樋口さんの決断で救われたユダヤ人は、2万人といわれて
います。
杉原さん、樋口さんのおかげで、日本とイスラエルの関係
は、良好です。
▼なぜ日本とトルコの関係はいいのか？
「杉原さん、樋口さんは、本当にすごい！
しかし、外交官だったり、軍の幹部だからできた偉業なの
では？」
こう思われる方もいるでしょう。
今度は、「普通の村人が国の関係を長期的に好転させた例」
を。
皆さん、1890年に起きた「エルトゥールル号遭難事件」を
ご存知でしょうか？
オスマン帝国（現在のトルコ）の軍艦エルトゥールル号が
現在の和歌山県東牟婁郡串本町沖にある紀伊大島の樫野埼
東方海上で遭難し、587名が亡くなった事件です。
この時、大島村（現串本町）の住民は、総出で救助と生存
者の介抱にあたりました。
結果、乗組員656人中、69人が助かったのです。
トルコは、この時のことを覚えていました。
イラン・イラク戦争時の1985年、
イラクは、イラン上空の航空機について48時間後から無
差別に攻撃すると宣言します。
当時、自衛隊は在外邦人を救援することができなかった。
日本航空も「安全が保証されない」として、臨時便を出す
ことを断りました。
このままでは、イランに残された日本人が、イラクの空爆
で犠牲になる可能性がでてきます。
困った野村豊イラン大使は、トルコのビルレル・イラン大
使に
相談します。
すると、ビルレル大使は、
「わかりました。ただちに本国に求め、救援機を派遣させ
ましょう。
トルコ人なら誰もが、エルトゥールルの遭難の際に受けた
恩義を知っています。
ご恩返しをさせていただきましょう」
と答えたそうです。
トルコは215人の日本人を、自国民用の飛行機に乗せて救
ってくれたのです。
1890年に大島村（現在の串本町）の村民が、一生懸命トル
コ人を助けた。
それがめぐりめぐって、日本人を救ったのです。
ちなみに、この話、映画にもなっています。
◆『海難 １８９０』
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予告はこちら。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=v1tYRBQ2mz8
日本とトルコの関係。
最近再選されたエルドアン大統領は、なかなか複雑な動き
をされる方です。
しかし、日本とトルコの関係は良好ですね。
1890年にがんばってくれた皆さんのおかげです。
▼ウクライナ人を助ける日本
さて、歴史話を三つしました。
しかし、時は流れつづけています。
今起こっているウクライナ戦争も、そのうち終わり、「歴
史」になっていくでしょう。
そして、遠いウクライナから日本に逃げてきている人たち
がいます。
日本全国に散らばっている。
一部トラブルも聞きますが、ほとんどの人が大切にされて
いるようです。
そして、「ウクライナに帰国する人たち」がいます。
たとえば、長野県高森町に避難していた9人。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=Hv7IxRlms-A
広島県福山市に避難したダリヤさん。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=OKBlNE_M7Wk
青森県南部町に避難しているテチアナさんは、
「日本はもっとも安全な国であり、
日本人は世界で最も親切な人々だと思います」
と語りました。
↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae3e8dad12b294cc8f138cf1ac67bae87ba9373e
あるいは、日本に残って、「自立」を目指す人もいます。
滋賀県彦根市に避難したイリーナさんは、レストラン
「Ｔｈｅ Ｆａｉｎａ」をオープンしました。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=kMunnExAAzg
滋賀県の皆さん、是非行ってみてください。
そして、できれば常連になってください。
トルコを助けた日本人、
ユダヤ人を助けた日本人、
今は、戦争から逃げてきたウクライナ人を助けています。
▼世界平和のためにできること
私たちは、世界平和を願っています。
一方で、「不可能だ」というあきらめもあります。
日本人はかつてトルコ人を助けました。
そして、トルコ人が日本を助けてくれました。
日本とトルコの関係は、良好です。
日本人は、かつてユダヤ人を助けました。
日本とイスラエルの関係は良好です。
日本人は今、ウクライナ人を助けています。
もし、私たちがウクライナ難民に十分親切であれば、
戦後、日本とウクライナの関係は良好でありつづけること
でしょう。
私は何がいいたいのでしょうか？
私たちが達成したい世界平和へのカギが、今回の話にある
ように思うのです。
困っている人を助けること。
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