Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

中国、米の混乱横目に3日連続で尖閣領海侵入 昨夏には米軍と共同訓練で漁船団の襲来阻止

 米下院本会議は13日、ドナルド・トランプ大統領が「反乱を扇動」して支持勢力に連邦議会議事堂を襲撃・占拠させたとし、罷免を求める弾劾訴追決議案を賛成多数で可決した。決議は上院に送られ、上院本会議で弾劾裁判が開かれる。米国の混乱を横目に、中国海警局の武装公船などは15日までの3日連続で、沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した。尖閣周辺では昨年夏、中国漁船団が大量襲来するとの情報があり、米軍と自衛隊の共同訓練でこれを阻止した。

 「今年に入っても、中国公船の領海あるいは接続水域への侵入が続いていることは誠に遺憾であり、政府として断じて容認できない」
 加藤勝信官房長官は14日午前の記者会見で、こう断言した。外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議したことも明らかにした。
 第11管区海上保安本部(那覇)によると、中国海警局の船1隻が14日午前7時15分ごろ、尖閣周辺の領海に侵入し、航行中の日本漁船1隻に接近しようとする動きを見せた。海上保安庁の巡視船が漁船を保護するとともに、中国公船に領海から退去するよう繰り返し要請したという。
 同本部は15日朝も、中国公船の領海侵入を確認した。
 中国公船は昨年、1年間の約9割にあたる計333日も尖閣周辺で確認され、日本領海に計29日も侵入した。今年も元日から5日連続で周辺海域において確認されたうえ、日本の同盟国である米国が連邦議会議事堂襲撃事件による混乱が続くのを横目に、3日連続で領海侵入をしてきた。
 中国の王毅国務委員兼外相は昨年11月の来日中、尖閣の領有権を一方的に主張したうえ、中国・全国人民代表大会(全人代=国会)は同月、公船に武器使用を認める「海警法」案まで発表した。
 実は昨年夏、尖閣危機が高まった場面があった。
 中国側が設定した休漁期間が終わる8月16日以降、1万隻近くの漁船団が大挙して押し寄せる危険性が指摘されたのだ。中国は2016年8月にも、尖閣周辺海域に200~300隻の漁船団と、海警局の武装公船などを送り込んできていた。
 昨年の危機は、海上自衛隊の護衛艦「いかづち」と、米原子力空母「ロナルド・レーガン」を中心とする空母打撃群が同年8月15~18日、沖縄南方の海空域で、日米共同訓練を実施したことで防がれたという。
 東海大学海洋学部の山田吉彦教授(海洋政策)は「日米は明らかに中国を念頭に備えて連携した。中国側は地元の漁業関係者に、尖閣周辺は『敏感な海域』だと操業を規制したが、それ以上に米軍の圧倒的な力におびえ、あっという間に引かざるを得なくなった」と分析する。
 共同訓練に先立ち、在日米軍のケビン・シュナイダー司令官は同年7月29日の記者会見で、尖閣情勢について、「米国は日本政府を支援する約束を100%堅持する」と表明していた。
 トランプ政権は、軍事的覇権拡大を進める中国共産党政権への強硬姿勢を維持してきた。
 米国土安全保障省傘下の税関・国境警備局(CBP)は13日、中国による「少数民族への強制労働」を理由に、新疆ウイグル自治区で生産された綿製品とトマトの輸入を禁止すると発表した。20日の任期切れを前に「対中強硬姿勢」をさらに鮮明にしたといえる。
 中国に融和的姿勢を取り続けたバラク・オバマ前政権で副大統領を8年間も務め、次男の中国疑惑が指摘されるバイデン氏に、対中強硬路線を期待できるのか。
 ◆自民・佐藤氏「圧力弱まれば中国は本性現す」
 バイデン氏は昨年11月12日、菅義偉首相との初の電話会談で「尖閣諸島は(対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約第5条の適用対象である」と明言している。
 前出の山田氏は「米国側も、日米同盟の重要性を知り抜いているはずだが、早急に両国の安全保障協力を深化させる枠組み『2プラス2』(外務・防衛担当閣僚会合)を開き、尖閣防衛の確約を得ることが急務だ。民主党が上下両院の支配権を確保した現在、米議会から『尖閣諸島は無人島なのに、有事で米軍を出すべきなのか?』などと、日米の結束に疑念を持たれないようにすべきだ」と指摘する。
 菅政権は「親中派」の影響力が強いとされるが、自民党内にも強い危機感・問題意識を持ち、実効支配の強化を訴える声は多い。
 自民党の佐藤正久外交部会長は「バイデン氏に、トランプ政権ほどの『尖閣防衛』への熱量があるか、不安もある。対中圧力が弱まれば、中国はいよいよ『本性』を現す。尖閣周辺での日米共同訓練の調整を急ぐべきだ。さらに、尖閣諸島への政府職員派遣など、日本独自で実効支配も強化すべきだろう。警戒監視にあたる海保の後ろ盾として、南西諸島方面での防衛力強化も進めなければならない」と語っている。