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安倍総理の志は死なない!!

支持率急落、鬼の岸田にはもううんざり…「高市総理」「河野総理」「茂木総理」国民が求めているのは誰だ!永田町通が語る”もう一人の総理候補”

岸田文雄政権の内閣支持率が、各メディアの世論調査で軒並み2割台に突入した。解散したくてもできない状況に、自民党内では「いつ退陣するのか」と議論を呼んでいる。政治事情にも詳しい経済アナリストの佐藤健太氏は次の総理に4人の名前を挙げる。混迷極める永田町で誰か動き出すのかーー。


「いつか解散か」ではなく「いつ退陣か」のフェーズに
岸田文雄首相の支持率が続落し、各種世論調査で軒並み過去最低を記録している。逆風のあおりを受ける自民党は福島や宮城の県議選で過半数割れという深刻な痛手を受け、東京・青梅市長選などの地方選でも支援候補の敗北が続く。岸田氏が再選を目指す来年の自民党総裁選まで1年を切る中、危機感を強める「ポスト岸田」はついに不気味な動きを見せ始めている。
「もはや岸田首相が『いつ解散を打つのか』ではなく、『いつ退陣するのか』にフェーズは移っているよ」。自民党ベテラン議員はこう危機感を強める。岸田氏は6月に衆院解散を模索したが、周囲の反対で断念。さらに起死回生を狙った年内解散も見送らざるを得ない状況に追い込まれた。


実際、岸田首相への逆風は止まらない。JNNが11月4、5日に実施した世論調査で内閣支持率は10月から10.5ポイントも下落し、29.1%と過去最低を記録。政権発足後初めて3割を下回って「危険水域」に突入した。NHKの調査(11月10日から3日間)でも10月調査時から7ポイント下落の29%となり、産経新聞とFNNの合同世論調査(11月11、12日)では10月比7.8ポイント減の27.8%と2カ月連続で過去最低を更新している。


支持率の高低よりも「不支持率」の高さがひどいことに…
時の政権の勢いをはかる目安としては、かつて「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元官房長官が示した法則がある。内閣支持率と与党第1党の政党支持率を足した数が50%を下回れば政権運営は行き詰まるというものだ。これを今回の調査で計算すると、JNNは「55.3%」、NHKは「66.7%」、産経などの調査では「56.8%」となる。数字だけを見れば上回っているものの、もうギリギリのところまで来ていると言えるだろう。


注目すべきは、支持率の高低よりも「不支持率」の高さだ。岸田内閣の不支持率はJNNで68.4%に達し、NHKは10月から8ポイント増の52%、産経などでは過去最高の68.8%に上っている。調査によってバラツキがあるため、NHKに絞ってみれば内閣支持率は首相が防衛費大幅増に伴う増税プランを決めた昨年末に3割台前半に落ち込んだものの、2021年秋の政権発足後の不支持率は46%が最高だった。5割を超えたのは初めてのことで、首相の不人気ぶりが止まらないことを表している。


その要因としては岸田政権が数々の増税プランや社会保険料アップという国民の負担増を模索し、「増税メガネ」との異名が首相に向けられたことにあるのは間違いない。岸田氏は「どんな風に呼ばれても構わない」と強がるが、突如として「税収増を国民に還元する」と減税策を打ち出したのは国民の不満を恐れたからだろう。


思い出される「漢字が読めない総理」
ただ、首相が挽回を狙った経済対策も不人気だ。JNNで「期待しない」は72%に上り、「評価しない」はNHKで6割近く、産経などの調査でも約7割に達している。首相は来年9月の自民党総裁選での再選を有利にするために年末の解散総選挙を虎視眈々と狙ってきた。その魂胆を国民に「バラマキという人参をぶら下げるつもりか」と見透かされ、逆に怒りを買っている形だ。首相が任命した副大臣や政務官の相次ぐ不祥事に加え、政権内のガバナンスも崩壊寸前にある。閣僚経験者の1人は「悲しいことに不名誉な異名がついた首相の下では政権が浮揚することは難しいだろう」と突き放す。


思い出されるのは、自民党が下野することになった2009年の総選挙前のことだ。現在は自民党副総裁を務め、岸田首相の信頼も厚い麻生太郎氏が首相に就いていた時である。麻生氏は、不人気だった前任の福田康夫首相から代わって早期の解散総選挙による事態打開を期待された。


岸田内閣の支持率24% 政権発足以来、最低を更新「かなり追い込まれ手の打ちようがない」
「ポスト岸田」として誰が飛び出すのか
しかし、2008年9月の自民党総裁選はリーマン・ショックによる経済危機と重なり、早期解散を断念。その後は閣僚の失態に加えて、麻生氏が未曾有を「みぞうゆう」と誤読するなど「漢字の読めない首相」との異名もつけられた。


当時のNHK調査によれば、2008年12月に麻生内閣の不支持率は65%に上がり、最後の2009年9月は74%に達している。当時の自民党は2009年6月の千葉市長選で推薦候補が敗北し、東京都議選など地方選で惨敗。危機感を抱いた自民党議員は「麻生おろし」に動き回った。


結党以来の歴史的大敗を経験した麻生氏は、早期解散を狙う岸田首相に「なにも急ぐ必要はない」と進言してきたとされる。だが、解散見送りとともに不支持率が上昇する中で同じ轍を踏む可能性は決して低いとは言えない状況だ。民主党が勢いを持っていた当時とは異なり、期待が高まっていない野党をにらめば再び自民党が下野することは考えにくいが、「岸田おろし」襲来は十分にあり得るだろう。


では、その頭目となり得る「ポスト岸田」として誰が飛び出すのか。次期首相候補として名があがるのは、高市早苗経済安全保障担当相、河野太郎行政改革担当相、茂木敏充自民党幹事長の3人だ。いずれも党幹部または閣僚に就いており、表だって首相批判をすることはないものの、虎視眈々とタイミングをうかがっているのは間違いない。


高市早苗、河野太郎…突破力と発信力に長けた2人に共通する悩み
高市氏は来年の党総裁選への出馬をにらみ勉強会を発足。河野氏は予算執行の無駄などを検証する「行政事業レビュー」を舞台に、膨張が問題視される基金のあり方に切り込むなど露出を増やしている。


ただ、突破力と発信力に長けた2人に共通する悩みは「支持基盤の弱さ」だ。高市氏は、岸田氏と対決した党総裁選で善戦したものの、後ろ盾となった安倍晋三元首相の支援はもうない。派閥会長が決まらない自民党最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が一枚岩となって高市氏を推すことは考えられず、推薦人集めから挑戦しなければならない。


河野氏にしても、所属する麻生派を率いる麻生副総裁の全面支援が欠かせない。改革イメージが先行する河野氏に対しては若手議員に期待する声がある一方で、ベテラン議員には抵抗も根強い。岸田首相と二人三脚で歩む麻生氏が、再選を目指す現職宰相のハシゴを外してまで河野氏に「GO」を出すことは考えにくい。



茂木は令和の明智光秀になる覚悟はあるのか
もう1人の茂木幹事長にも「壁」がある。茂木氏はトップに立つ意欲を重ねて示し、自ら率いる派閥を中心に同志を着々と増やしている。ただ、首相から起用された党ナンバー2の幹事長として岸田氏を支え続けなくてはならず、逆に「次」へ向けた動きは取りにくい。


野党時代の谷垣禎一党総裁が政権奪還直前の総裁選出馬を断念することになったのは、当時の石原伸晃幹事長が強行出馬したからだ。茂木氏がトップに立つために協力が欠かせない麻生氏は当時、「石原氏は『平成の明智光秀』といわれている。私の人生哲学には合わない」などと厳しく非難している。


仮に主君を討つようなイメージがつきまとえば、逆バネが働くのは必至だ。茂木氏が11月11日の講演で「光秀は好きじゃない」などと反旗を翻す考えはないと強調したのは、静かに「時」を待つスタンスに徹するしかないからだろう。


そんな中で注目集めるのは…
ポスト岸田の有力候補である3人が抱える事情を考えれば、逆に現時点で党幹部や閣僚に入っていない人物の方がチャンスと言える。その筆頭格は石破茂元幹事長だ。各種世論調査では「次の首相にふさわしい人物」としてトップに名があがり、現政権とも一定の距離を置いて準備を重ねている。


石破氏が自覚するように仲間が少ない点が総裁選で不利との見方がつきまとうが、仮に非主流派の二階派や菅義偉元首相に近い議員グループが推すことになれば流れは変わる。それだけでは勝利をつかむだけの議員数は足りないものの、二階・菅両氏と近いベテラン・中堅議員たちが協力することにすれば情勢は一変するだろう。


何より、岸田首相の不人気から「選挙の顔」を探す動きが強まれば、世論調査で支持率が高い石破氏に票が流れる可能性は高いと言える。政府関係者によれば、岸田氏はこうした石破氏周辺の動きに警戒を強めているという。


一度は率いた派閥を解体し、孤独感も漂う石破氏が一気に息を吹き返すことはあるのか。「火中の栗」をつかむことになりそうなポスト岸田から目が離せない年末年始を迎えようとしている。